兵庫県高等学校体育連盟テニス部

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平成25年度男子回顧録 報徳学園高等学校 桂川大助

伸び縮みする時間と空間

クラブの練習後に立ち寄った本屋で見つけた言葉に、足が止まった。物理は全くの門外漢であり、ましてや文系人間の自分にとって、出合う事のなかった本。しかし、クラブ活動としてテニスに携わる中で、その「時間」と「空間」をいかに“使う”かの重要性に、自分自身が気付き始めた“タイミング”という事もあり、おそるおそるその本を手に取ってみる・・・

県総体団体戦。ベスト8には第1~4シードの相生学院・関学・甲南・明石城西、第5~8シードの仁川・市西宮、そして第10シードより芦屋学園、ノーシードより雲雀丘が勝ち上がった。ベスト4には上位シードの4校が駒を進め、決勝戦は相生学院と関学の戦いとなった。結果はS1竹元が6-0,6-2、S2田沼が6-0,6-0と危なげなく勝ち、4年連続4回目の優勝を勝ち取った。

 県総体個人戦。シングルスではベスト8進出者が竹元佑亮・田沼諒太・飯島啓斗・加藤隆聖・星野承賢・藤井遼太郎・平松晋之祐・平川響己と全て相生学院勢の戦いとなった。ベスト4には3年生の竹元・田沼・飯島・加藤が勝ち上がり、決勝戦は第1シードの竹元と第2シードの田沼の戦いとなり、セットカウント2-0で竹元が優勝した。ダブルスにおいても相生学院の包囲網を打ち崩す事ができず、ベスト4を独占。決勝戦は竹元・加藤ペアと飯島・田沼ペアの試合となり、2-0で竹元・加藤ペアが勝利した。

福岡県で行われたインターハイ。昨年度インターハイを制覇した相生学院は今年もその力をいかんなく発揮した。第1シードとして臨んだ今大会。2回戦龍谷(佐賀)3回戦海星(長崎)4回戦筑陽学園(福岡)という強豪校をストレートで下し、準決勝は近畿地区大会決勝と同一カードの清風(大阪)。ダブルス飯島・加藤(相生学院)が矢多・望月(清風)を6-3、6-1で先勝するも、シングルス1竹元(相生学院)が上杉(清風)に6-1、3-6、0-6で取られ、勝負はシングルス2へ。田沼(相生学院)が坂井(清風)にファーストセットタイブレークで落とすも、セカンドセット6-2、ファイナルセット7-5。雷雨による1面進行、7時間にわたる熱戦を制し決勝進出を果たした。決勝の相手は名門湘南工大附。準決勝の疲れが残っていたのか、惜しくもインターハイ2連覇の夢は届かなかった。団体戦に続けて行われた個人戦。シングルスでは竹元がベスト8、ダブルスでは竹元・加藤、田沼・飯島が共にベスト8に進出するも、全国の強豪にその先を阻まれる結果となった。

8月の赤穂海浜公園で行われた新人大会。シングルスでは平松晋之祐、藤井遼太郎、平川響己、田代悠雅、板倉司季の相生学院勢に高田直幸、新見大晴(関学)と吉田有宇哉(甲南)が相まみえる戦いとなった。結果は相生学院勢がこれを退け、ベスト4を堅守。優勝は9-8()で平川が伸び盛りの一年生田代に勝ち優勝した。ダブルスでは近藤・吉田(甲南)が相生学院の牙城を崩し、準決勝で平松・工藤(相生学院)を8-3で破り決勝進出を果たしたが、決勝戦は第1シードの藤井・平川(相生学院)に8-5で惜敗した。

続く近畿高等学校テニス大会では、藤井遼太郎(相生学院)が本城和貴(京都/東山)を6-1で破り、優勝した。

10月に行われた新人戦団体。ベスト4に相生学院・甲南・関学・芦屋学園が進出。ベスト8には明石城西・仁川・三田・報徳が勝ち進んだ。決勝リーグにおいても相生学院の強さが際立ち、3試合を全て5-0のストレート勝ちをおさめ5年連続の優勝を決めた。近畿選抜への出場をかけた2位争い甲南対関学は熾烈を極め、D1:9-7、D2:9-7、S1:8-1、S2:2-8、S3:9-7で甲南が関学の猛追を振り払い、選抜への切符を掴み取った。兵庫県予選を勝ち抜いた相生学院・甲南高校は近畿大会でも勢いそのままに、甲南は2回戦で東山(京都)を3-2で破り3位に入り、相生学院は決勝戦、大阪産大附を3-1で勝ち近畿1位で全国選抜行きを決めた。

アインシュタインの特殊相対性理論によれば、時間の進み方、そして物や空間の長さ(距離)は、見る立場によってかわりうる、つまり相対的である(らしい)。近年のラケットの軽量化と性能、また個々の技術力向上も加わり、本戦の上位の選手のプレー、打球は、コートという宇宙空間を光速に近い速度で進む宇宙船のようだ。宇宙船の中(ラケットを振る選手)と宇宙船外にいる対戦相手とでは、時間と空間が入りまじる。光速に近づくほど、時間の流れは遅くなり、物の長さは縮む。速度を手にすることはテニスにおける「時空」をコントロールする事になるのだろう。でも、速い打球を打つ事が全てなのだろうか?いや、そうは思わない。その球速に対してさらなる速さを求めるのも1つだが、最高に遅いボールを、ネットという概念も壊すほど高く、宇宙船の中にいる相手にいつまで“経っても”打てないボールをルールに則り返球する。そんな事を考えながら、今日も滞空時間の長いボールを打ち続けている・・・

限りない挑戦と可能性に賭けてテニスに打ち込む姿を今年も期待したい。

共に同じ時間と場所にいれる奇跡に感謝して…

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