兵庫県高等学校体育連盟テニス部

ホーム資料文献回顧録平成28年度男子回顧録 関西学院高等部 原田 匠

平成28年度男子回顧録 関西学院高等部 原田 匠

〈 はじめに 〉  一本のサーブが試合の勝敗を分けることは多々あると思います。「あそこでサーブが入れば・・・」、「あそこでダブルフォルトさえしなければ・・・」などなど。たった1球のサーブに泣いたり笑ったり。これは県予選1回戦からインターハイ決勝まで、皆が一度は経験することでしょう。 しかしながら、皆を悩ませるこの「サーブ」とは、「servant=召使い、奴隷」と同語源であることを知っている高校生は、果たしてどれほどいるのでしょうか。 テニスは古来、召使いが投げ入れたボールをラリーする遊戯でした。最初の1球は他人から「service=奉仕」してもらう。 穿った言い方をすれば、「やってもらって当たり前」からスタートするスポーツ。そんなスポーツが、如何に学校体育として成立するのか。  近年、テニスも御多分に洩れず、様々なスポーツにおいて、コンピューターによる審判が導入されています。 ある研究所がまとめたAI によって近々失われる仕事の1つにも、審判が挙げられています。 審判とは正しいことだけが大切なのでしょうか。バイアスを除いた精緻な試合環境が「フェア」なのでしょうか。 観客や審判など会場中全ての人を魅了し、応援される選手は誤審を招く「バグ」なのでしょうか。  誠に私見ながら、「サーブ」から始まるテニスだからこそ、「整える」ことを大切にしたいと私は考えております。予選会場から本戦会場まで、生徒も教師も共に、コートの準備や大会の運営、そして審判に一生懸命な兵庫県。その上で、初心者からインターハイや世界で活躍する子供達までが県内一つのトーナメントに集う、ロマンに溢れた兵庫県であって欲しいと心から願います。 〈 県総体団体戦・個人戦 〉  県総体団体戦、ベスト8には第1~4シードの西宮甲英・相生学院、啓明、甲南、第5~8シードの明石城西・関学・芦屋学園、そして第5シードの三田学園を破って第12シードの報徳が勝ち上がった。ベスト4には上位シードの4校が揃い踏みし、決勝は昨年と同じく、西宮甲英と相生学院の対戦となった。結果は2-1で相生学院が勝利し、昨年の雪辱を果たした。  県総体個人戦シングルスにおいて、ベスト8では相生学院の6名、太田・平川・大島・阿多・大野・菊池の中に、西宮甲英の2名、市川と白藤が食い込む戦いとなった。ベスト4には太田・白藤・阿多・大島が駒を進め、決勝戦は大島と阿多の相生学院同士の対戦となり、結果、ストレートで大島が優勝した。ダブルスにおいても相生学院の猛攻が止まらず、ベスト4では、相生学院の大島・菊池、村田・山中、金子・大野の3ペアに啓明の東川・師玉ペアが食い込む戦いとなった。決勝戦には大島・菊池ペアと金子・大野ペアが駒を進め、シングルスと同じく相生学院同士の対戦となった。 結果、大島・菊池ペアが金子・大野ペアをストレートで下し、大島が単複二冠に輝いた。  続いて行われた中国インターハイでも、相生学院の勢いは止まらず、全てストレート勝ちで見事団体優勝に輝いた。また、個人戦では、シングルスで大島がベスト8。  ダブルスでは大島・菊池ペアが優勝、金子・大野ペアがベスト4と、全国にその力を示した。 〈 県新人個人戦・団体戦 〉  県新人個人戦シングルスにおいて、ベスト8では相生学院の7名、菊池・前田・平川・山中・中園・阿多・丸山の中に、西宮甲英の市川が食い込む戦いとなった。結果、ベスト4を相生学院が堅守し、菊池・平川・阿多・丸山が駒を進めた。続く準決勝戦では、菊池・阿多が勝利し、8-5で阿多が菊池を下し、優勝を手にした。  ダブルスにおいては、ベスト4を相生学院が独占。平川・菊池ペア、阿多・丸山ペア、福井・前田ペア、山中・名越ペアが勝ち上がり、圧倒的な強さを見せた。準決勝では、平川・菊池ペアが阿多・丸山ペアを8-5で下し、菊池はシングルスでの借りを返す形となった。決勝に駒を進めた平川・菊池ペアと山中・名越ペアの試合は熾烈を極めた戦いとなり、9-7で平川・菊池が優勝した。連日に続く猛暑の中、奮闘した選手・応援の全ての生徒の健闘を讃え、悲喜交々の1分1秒全てが彼らの糧となることを願いたい。  団体戦においては、ベスト8には第1~4シードの相生学院・甲南・関学・神大中等、第5~8シードの三田・灘・雲雀丘、そして第8シードの市西宮を破って第9シードの甲陽が勝ち上がった。 ベスト4には相生学院・甲南・関学・三田が進出した。4校によるリーグ戦の結果、相生学院が全勝で優勝。甲南が2勝1敗で準優勝、関学が1勝2敗で3位、三田が0勝3敗で4位となった。相生学院は決勝リーグでも1本も落とさず全てストレート勝ちし、その実力を示した。

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