兵庫県高等学校体育連盟テニス部

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令和2年度男子回顧録 北須磨高等学校 横田泰和

令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大で始まりました。3月の春季ジュニアの開催を断念し、県高校総体は何とかできないものかと準備していました。しかし、4月7日に緊急事態宣言が発令され、5月末まで学校の臨時休校が決定しました。その結果、県高校総体は中止となり、上位大会もなくなってしまいました。特に3年生は最後の大会だっただけにかわいそうでした。学校では、生徒たちがリモート授業や学校からの課題に取り組むなど自宅学習を余儀なくされました。「ステイホーム」で、外に出ることもできず、辛い期間だったと思います。6月1日になると学校が再開しました。最初は1日おきの登校や時差登校で、通常とは程遠い状況でした。部活動も、日数や時間を大きく制限され、体を少し動かすという程度でした。それでも、感染症対策を徹底し、少しずつ部活動としてできる範囲が広がってきました。7月下旬には、3年生のための「県総体の代替試合」を各地区ごとに工夫し実施しました。十分な大会とは言えなかったかもしれませんが、参加した3年生にとっては、一つの区切りになったのではないでしょうか。 8月に入ると、新人大会個人戦の予選です。各校のテニスコートで、無観客試合という形にはなりましたが、実施することができました。久々の公式戦なので、主催する私たち高体連の役員も、いつも以上に緊張感がありました。慎重に慎重を重ね、無事予選を終えた時には少しホッとしたのを思い出します。しかし、それも束の間。舞台を赤穂海浜公園テニスコートに移し、本戦が行われました。保護者の皆さんにとっては久々の子供さんの試合で、そばで応援したいというお気持ちはあったと思います。しかし、この大会を新型コロナウイルスの感染者を出すことなく無事、最後まで成立させなければということで、無観客試合とさせて頂きました。実際、大会直前に甲南中・高の部内で感染者が出て、甲南高校は本戦に出る予定の選手が全員出場辞退という決断をされました。そのような、いつもと違う雰囲気の中で、新人大会本戦が始まりました。結果は、1年生の原崎朝陽選手(神村学園神戸)がテンポの速いテニスと多彩なショットで他の選手を圧倒し優勝。原崎選手は、その勢いのまま、近畿大会でもほとんどゲームを落とすことなく優勝しました。続く夏季ジュニアでも実力を発揮し、原崎選手は優勝しました。 10月の兵庫県学校対抗新人大会の男子では、やはり相生学院が実力を見せつけ、一本も落とすことなく、完全優勝で12連覇を果たし、全国選抜の近畿地区予選の切符を手にしました。残るもう1枠の争いは熾烈でした。最近力をつけてきている第2シードの神戸野田高校と新人大会個人戦の出場を見合わせ第3シードに甘んじた甲南高校との対戦です。神戸野田高校は、1年生のシングルス1久田選手とシングルス2髙橋選手が頑張り、シングルス2本を取りました。しかし、甲南高校も意地を見せ、ダブルス2本を取り返し、勝負がシングルス3にかかりました。最終的には、個人戦の悔しさを団体戦で晴らす形で甲南高校が全国選抜の近畿地区予選残り1枠の切符を手にしました。1年生主体の神戸野田高校は、来年に向けての大きな一歩となり、これからの活躍に目が離せません。さらに、全国選抜を賭けた近畿地区大会ですが、やはり相生学院が危なげなく優勝し、県大会同様近畿大会でも12連覇を達成しました。甲南高校も5位に入り、全国選抜での両校の活躍に期待が高まります。 また、県の公立大会(団体戦)に目を転じると、男子ではノーシードの神戸高校が第1シードの赤穂高校を破り、その勢いのまま決勝まで勝ち進みました。決勝では、神戸高校がシングルス1,ダブルス1を取るものの、残りの3本を落とし、明石城西高校に逆転負けをしました。しかし、両校とも近畿公立大会への出場権は獲得しました。第3代表決定戦では加古川北高校を制した宝塚西高校が近畿公立大会の出場を決めました。が、ここでまた、新型コロナウイルスの感染が拡大してきました。兵庫県は出場を見合わせる決断をし、1月初旬には兵庫県以外が出場し、近畿公立大会を実施することとなりました。明石城西、神戸、宝塚西の3校は、出場権は得たものの、参加出来ず悔しい思いをしたことと思います。県の公立大会(個人戦)では、優勝した中野選手(赤穂高校)を含め10名の選手が近畿公立大会に駒を進めましたが、こちらも近畿公立大会自体が中止となってしまいました。 今、新型コロナウイルスのワクチンの接種が医療従事者から始まっています。それが、みんなに行き渡り、一刻も早くコロナ禍が収まって欲しいと思います。来年度は、高校生諸君が思いっきりテニスをプレイし、チームメイトや保護者の皆さんが気兼ねなく思いっきり応援しているいつもの光景をぜひとも見たいです。

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