兵庫県高等学校体育連盟テニス部

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平成16年度男子回顧録 神戸高校テニス部顧問 武本章子

 今年はアテネオリンピックが開催され、国民全体がスポーツに注目し各種目の選手のすばらしい活躍に拍手を送り、真剣勝負の息詰まる場面に手に汗握ったことも多かった。テニスでは女子が大いに活躍し、多くのテニスファンをわかせてくれた。

 兵庫県でも平成18年度には、夏に総体・秋には国体と国内のビッグイベントが2つも開催される。16年度に高校に入学した生徒が3年生となった時主力選手として活躍することになる。そういう意味では、今年の1年生がどういう活躍をするかも楽しみな年度となった。

 8月に開催された岡山の総体では、明石城西が全国のベスト8という結果を残した。2回戦・3回戦は順調に勝ち上がった城西であったが、藤沢翔陵にダブルス・シングルスともに1セット目はいい試合をしながら、結果的には0-2という結果となり残念であった。2年後に控えたインターハイの視察のため多くの高体連役員の教師が訪れ応援をしたが、シングル1を戦った佐野の県内ではエースになる球が藤沢翔陵の狩谷には通じず、逆に追い込まれる場面などを見て多くの課題を見つけることができた。しかし佐野がまだ1年生であることを考えるとこれから先が大いに楽しみで、多くの経験を積み2年後には兵庫県のエースとして大活躍してほしいと願うばかりである。

 個人戦においても今年度はすべて3回戦どまりで昨年のような輝かしい結果は残せなかったが、シングルス5名藤岡・佐野・松下(城西)大辻(灘)駒田(関学)中4名が1・2年生であることは今後が楽しみである。ダブルスは3組大西・脇坂、藤原・岡田組(城西)楠木・沓脱組(関学)ともに1・2回戦どまりで終わった。

 総体男子団体戦の県予選では、明石城西と関学の2強のすさまじい戦いとなった。3試合がすべてフルセットでなおかつシングル1同士の試合が4時間に及ぶものであったことからもそれは想像することができる。ダブルスでは関学の楠木・沓脱組が接戦の末城西の岡田・大西組を征し、逆にシングル2では城西の藤岡が関学の伊勢を征した。残ったのはお互いの学校のナンバーワン同士の戦いであった。1セット目から全力を出しての試合であるので、たとえ鍛え抜かれた足であっても2セット目の後半には疲れが見え始める。この試合を征することが県のナンバー1校になることであり、団体としてインターハイに出場する切符を手にすることとなればの精神的プレッシャーは相当なものである。 最初に体に変調を来したのは城西の藤原の方であったが、当然関学の萩原にも体力の限界が来る。ロービングアンパイアが本部に救急車の手配をする方がよいのではないかと相談をするほどのすさまじい死闘となった。当然体力の限界はとっくに超えている。ポイント間の20秒もまともに立っていられない状態を見ていると「学校の名誉をかけて絶対に勝たねばならない。」という気力だけで戦っているのが観客にも伝わる。お互いの死力の限りを尽くした試合は、1セット目5-7.2セット目7-5、最後に3セット目6-3で城西の藤原が征したが、2人の試合には多くの観客から惜しみない拍手が送られた。ベスト4には灘・仁川が入ったが灘高校は2年以下を中心としたチーム構成で来年が楽し みなチームであった。ベスト8には甲南・三田学園とともに長田・神戸が公立高校として食い込んだことはまことにうれしいことである。

 個人戦では団体戦決勝の次の日ということで、死闘をくりひろげた藤原(城西)と萩原(関学)がシングルスにおいて上位に食い込めなかったのは非常に残念な結果であった。

 今後の日程の見直しという課題を残したといえる。シングルス決勝は同じ城西同士の1年と3年の対決ということだったが藤岡が3年生の意地を見せて初優勝した。ダブルスは大西・脇坂(城西)と楠木・沓脱(関学)の対決となったが3年生ペアの城西が2-0で征した。

 世代が交代した夏の県民大会。シングルスは城西の佐野は総体の経験を生かして同じ城西の渋谷を2-0で破り貫禄の優勝。1年生同士の決勝となったのは、平成18年度総体に向けてはうれしい材料かもしれない。3位は2年生の駒田(関学)松下(城西)で、ベスト8中5名が1年生という異例の結果となった。ぜひ、総体の団体・個人の全国優勝を目指して順調に伸びてほしいものである。ダブルスは駒田・沓脱(関学)が佐野・渋谷(城西)組を破って優勝。こちらは2年生の貫禄を見せた。ベスト4には松下・華谷(城西)山崎・辻(関学)が入り、県上位2校の強さを見せつけた。9月の近畿大会においては関学2年生ががんばり、シングルスは駒田が準優勝、ダブルスは駒田・沓脱が準優勝をした。

 新人戦団体戦は城西が優勝し準優勝は関学であった。ベスト4のチームには灘・甲南が入り、決勝リーグでは3-2で灘が征して3位になったが接戦であった。当然近畿大会の団体戦においても城西が優勝し、関学が準優勝で兵庫県が上位2つを独占して選手層の厚さや強さを見せつけた。個人戦では渋谷(城西)が優勝し、準優勝は佐野(城西)3位には山崎(関学)大辻(灘)が入りまたもや今年の1年生の強さを見せつけた。本来なら新人戦は技術的には物足りない内容になるものだが、今年の新人戦本戦の上位選手はそのようなことを感じさせない迫力ある試合を展開してくれた。

 最後に、テニス部顧問になって3年目の私が今年の回顧録を担当することになり、とても前年度までのベテランの先生方のように上手に今年1年の様子を伝えることができないことで相当悩んだことを付け加えておきたい。それでも毎日生徒たちと朝から晩までコートでつきあっていると、いつかはこの紙面に載るような選手を育てたいと夢のようなことを考える。兵庫県のテニス役員の先生のチームワークはすばらしく、テニスは素人の私でも役員として仕事をお手伝いできることを喜びに感じている。きっと平成18年度の総体・国体も多くの先生方のご協力を得て無事乗り切ることが出来ると信じて今年の回顧録を終わりにしたい。

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