兵庫県高等学校体育連盟テニス部

ホーム資料文献回顧録平成17年度女子回顧録 明石城西高校テニス部顧問 門田聖五

平成17年度女子回顧録 明石城西高校テニス部顧問 門田聖五

 平成17年度の幕開けは第27回全国選抜高校テニス大会であった。兵庫からは、昨年秋の近畿大会2位明石城西と、同3位の園田学園が出場した。両校とも1・2回戦は無難に勝ち上がったが、3回戦でシード校の柳川(福岡)・長尾谷(大阪)と対戦した。まず園田学園は近畿大会で長尾谷に敗れていたため雪辱戦であったが、3-0で惜しくも敗れた。明石城西は雨・風・雪による途中、中断にも負けず、シングルス1は落としたものの3―1で勝利したが、これは30名の部員全員による力が結集した勝利であった。翌日、筑陽学園(福岡)との準々決勝では3―2で惜しくも敗れはしたが、ダブルスにおいては本大会全勝で終わることができ、この場を借りて本校佐藤教諭に感謝したい。

 次に行われた大きな大会は“千葉きらめき総体”への出場をかけた県総体である。まず団体戦であるが1シード明石城西、2シード園田学園、3シード夙川学院、4シード加古川南は順当にベスト4に駒を進め、ベスト8には武庫川大附、仁川学院、芦屋大附、雲雀丘学園が入った。準決勝は、明石城西が3―0で加古川南を下し、園田学園が夙川学院を2―1で下して、決勝は昨年の新人戦と同じ顔合わせとなった。3面同時にスタートした試合は、一番競るであろうと思われたダブルス中西・木下組対中村・日下部組の対戦が6-2,6-2という一方的なスコアで園田が勝利を収め、試合の流れは俄然園田に傾いた。一方シングルスは、1,2ともに明石城西がセカンドセットを取り返してファイナルにもつれ込んだ。だが、園田№1の石田、№2の鍋谷の勢いに対し、明石城西№1の松尾、№2の戸高は、ファイナ ルへ持ち込むのが精一杯で最早余力は残っておらず、園田学園が2年ぶり20回目の優勝を果たした。私自身、監督として初めて県総体の決勝に臨んだが、3セットを2試合行う団体戦での緊張感や体力的な面などまだまだ経験不足を痛感した一戦であった。続いて個人戦であるが本年度はシングルス5名、ダブルス3組のインターハイ出場権をかけての戦いであった。まずシングルスにおいては上島(県立国際)が優勝し、同じテニスクラブで練習する山本(芦大附)が準優勝、ベスト4には橋本(山手)、秋元(夙川)、が入り、5番目には松岡(夙川)が入った。ダブルスにおいては、石田・中西(園田)が優勝し、小笹・辰野(夙川)が準優勝、3位に松尾・戸高(明石城西)が入った。

 さていよいよインターハイである。団体戦においては園田学園が3回戦で広陵(広島)に苦戦はしたもののシードを守って、順当にベスト8に勝ち上がり、第2シード長尾谷(大阪)と対戦した。春の選抜の借りを返すべく戦いを挑みシングルス№1の石田が勝利したが、惜しくも2―1で敗れた。個人戦においては上島(県立国際)がシングルスでベスト8に残り来年度のボーナスポイントを獲得してくれたことは賞賛に値する。他は山本(芦大附)がベスト16、橋本(山手)、秋元(夙川)、松岡(夙川)は1 回戦敗退に終わった。ダブルスは、石田・中西(園田)、小笹・辰野(夙川)の両ペアがベスト8、松尾・戸高(明石城西)がベスト16に終り、ボーナスポイントを獲得できなかったことが悔やまれる。余談になるが、私 はこのインターハイにおいて、団体の準決勝・決勝を観戦することができた。準決勝仁愛女子(福井)対堀越(東京)、決勝仁愛女子対共栄(東京)の対戦であったが、まさに死闘という言葉がピッタリの内容であった。特に座って見ているだけでも暑い中で、仁愛の選手の体力・精神力・技術、そして何よりも監督を信じる力、これらが一体となっての春夏連覇であったように思われる。来年の地元インターハイで、兵庫勢のこういったシーンをぜひ見てみたいと強く感じた試合だった。

 次に3年生が引退し新チームの戦力を占う県民大会が赤穂海浜公園で行われた。個人戦のみの大会ではあるがこの結果によって新人戦のシードが決定するとともに、近畿大会への出場(シングルス20名・ダブルス10組)をかけた重要な大会である。しかし、第1シードの山本(芦大附)が棄権してしまったことは誠に残念であった。結果はシングルスにおいて小笹(夙川)が、第15シードながら4回戦で第2シード井本(芦大附)を破った勢いで勝ち進み、優勝を果たしたことはまさに「あっぱれ」であった。準優勝には1年生ながら思いっ切りのいいテニスをする喜多(園田)が入り、ベスト4には秋元(夙川)、内仲(園田)、ベスト8には辰野(夙川)、安部(園田)、松岡(夙川)、日下部(明石城西)が入った。ダブルスにおいては第5 シード井ノ元・日下部(明石城西)が決勝で第2 シード小笹・寺井(夙川)を下し、同校としては個 人戦において初の3大大会(総体・県民・新人)における優勝を果たした。ベスト4には内仲・喜多(園田)、池田・花畑(明石城西)、ベスト8には辰野・松岡(夙川)、林・井若(夙川)、森・貝塚(園田)、松下・安田(明石城西)が入った。

 10月には春の全国選抜出場をかけた新人戦が神戸総合運動公園で行われた。本年度からスーパーシード制を取りやめ、ベスト8による本選、ベスト4によるリーグ戦によって、近畿大会出場の2校を選ぶというシステムに変更となった。まず本選出場の8校であるが、私はこの本選に残るということを最大の目標として、日々の練習に取り組んでいる学校がたくさんあることを知っている。ここ数年、近畿地区のみならず、四国地区、中国地区、九州地区、東海地区、北信越地区と、色々なところへ練習試合に行く機会を持たせていただいているが、私は敢えて断言したい。「全国に兵庫ほど熱い顧問の先生がたくさんいる県はない!」と・・・・。

 さて、その本選には夙川、園田、明石城西、加古川南の上位シードに加えて、兵庫、仁川、星陵、武庫川大附が入った。なかでも公立高校で、高校から硬式テニスをはじめた選手を鍛え上げ、毎年のように本選に駒を進めている加古川南の登日先生、兵庫の五味先生の情熱には頭が下がる。私も負けないように頑張りたい。準々決勝は、夙川5―0仁川、園田5―0武庫川大附、明石城西5-0兵庫、加古川南5―0星陵というスコアでベスト4が出揃った。リーグ戦は、8ゲームによるものでやはり力を持っている選手が強く、勢いだけでは勝たせてもらえない。ここにワンセットマッチと8ゲームマッチの違いがあるように見受けられる。結果は夙川学院が3勝0敗で優勝し、園田学園が2勝1敗で2位、明石城西が1勝2敗で3位、加古川南が0勝3敗で4位となり、夙川、園田が近畿選抜への出場権を獲得した。両校は近畿選抜でもそれぞれ2位、4位と健闘し、見事全国選抜への切符を手にした。全国大会での両校の活躍を期待し たい。個人戦においてはシングルスで安部(園田)が優勝、2位に花畑(明石城西)、3位に喜多(園田)、坂本(園田)、ダブルスでは内仲・喜多(園田)が優勝、2位に鍋谷・安部(園田)、3位に森・貝塚(園田)、三谷・坂本(園田)という結果であった。これらの結果から来年は園田を中心とした構図になりそうな予感がしているのは私だけではないであろう。

 以上、団体戦を中心に平成17年度を振り返ってみたが、来年はいよいよ兵庫インターハイ・兵庫国体の年である。何十年に一回のこの2大イベントの年に自分が顧問として関われるということは、この上ない幸せである。すでに様々な部署で準備も進んでおり、この原稿を執筆している今も多くの先生方が準備に追われている。この場を借りて私は選手諸君にエールを送りたい。審判をはじめたくさんの高校生ボランティアや、先生方の陰での支えがあっての大会であるということを忘れずに、常に感謝の気持ちをもって精進してほしい。この2 大イベントが大成功に終わることを、そして願わくは自校の選手がその舞台に立てることを祈念しつつ、平成17年度回顧録を終わらせていただく。

▲ページトップに戻る