兵庫県高等学校体育連盟テニス部

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平成21年度女子回顧録 龍野高等学校 三木教郎

 「ワーッショイ、ワーッショイ。」
 新人大会団体戦予選、ベスト8掛けの最後のポイントを決めた時、ベンチで思わずガッツポーズをした。礼をした後、生徒が寄ってきたかと思うと、そのまま担ぎ上げられ、宙を舞った。下ろされた後、生徒に「先生、落ちていました。」と、買い換えたばかりの携帯電話を渡された。ディスプレイにヒビが入っていた。心の中で「あーっ」と叫んだが、抱き合って喜んでいる生徒達を見ていると、すぐにそんなことは忘れて、自分も初のベスト8の喜びに浸った。今年は生徒のおかげで良い思いをたくさんさせてもらった。
 しかし、良いこともあればその逆もあり、今、回顧録を書いている。あまり上位の選手の試合を観戦していなかったこともあり、歴代の先生方のような試合の様子が目に浮かぶような文章を書くことができないことをお許し願います。

 第31回全国選抜高校テニス大会には、園田と明石城西が出場した。30年連続30回目の出場をはたした園田は、2回戦5-0、3回戦3-0と順調に勝ち上がり、準々決勝で長野の松商学園を3-1で、準決勝で福岡の柳川を3-1で降し、決勝は福井の仁愛女子に3-1で勝ち、5年ぶり11回目の優勝を果たした。2年連続3回目の出場を果たした明石城西は、1回戦5-0、2回戦3-2と勝ち上がり、3回戦で宮崎商業に1-3で敗れたが、見事ベスト16に進出を果たした。

 兵庫県高等学校春季テニス大会団体戦では、園田、明石城西、駿台甲英、夙川、仁川、神戸、加古川南、芦屋学園が、予選を勝ち上がり本戦に出場した。準々決勝は園田2-0芦屋学園、夙川2-0仁川、駿台甲英2-0神戸、明石城西2-0加古川南と、上位シードが実力通りにベスト4に進出した。準決勝は園田2-0夙川、駿台甲英2-1明石城西となり、決勝は一昨年から3年連続同じ組み合わせで、駿台甲英と園田との対決となった。D大麻・野井vs大塚・村上が26、06、S1古賀vs真田が63、60、S2山本翔子vs山本みどりが61、64となり、駿台甲英が2年連続2回目の優勝を果たした。春の全国選抜優勝校の園田が県予選で敗退して全国総体に出場することができないという事実に、兵庫県のレベルの高さをあらためて実感した。
 個人戦のシングスは、園田23名、夙川11名、明石城西8名、駿台甲英4名、芦屋学園・加古川南3名ら68名が本戦に出場した。ベスト4には古賀・山本・大麻(駿台甲英)、山﨑(園田)が勝ち上がった。決勝は駿台甲英対決となり、古賀が山本を61、63で降して優勝した。全国総体への出場権はベスト4の4人と山本(園田)が獲得した。ダブルスは、園田13組、夙川5組、明石城西4組ら34組が本戦に出場した。ベスト4には山﨑・大塚、田中・真田(園田)、山田・望月(夙川)、亀山・戸高(明石城西)が勝ち上がった。決勝は山﨑・大塚(園田)が山田・望月(夙川)を64、60で降して優勝した。決勝を戦った2組と亀山・戸高(明石城西)が全国総体の出場権を得た。
 全国高等学校総合体育大会団体戦では、第1シードの駿台甲英が2回戦を長野の松商学園に3-0、3回戦は三重の四日市商に2-0、準々決勝は岐阜の県岐阜商に2-0、準決勝は福岡の柳川に2-1と順調に勝ち上がった。決勝は福井の仁愛女子で、D大麻・野井が46、62、26、S1古賀が26、36と惜しくも敗れ、準優勝となった。またシングルスでは、古賀(駿台甲英)がベスト4に、ダブルスでは、山﨑・大塚(園田)がベスト8となった。

 兵庫県高等学校新人テニス大会の個人戦シングルスでは、園田17名、夙川10名、加古川南8名、明石城西・雲雀丘6名、武庫川大附4名ら80名が本戦に出場した。ベスト4には山本・真田・宇佐美(園田)、野井(駿台甲英)が勝ち上がった。決勝は園田対決となり、山本が真田を64、36、63で降して優勝した。ダブルスでは、園田9組、夙川6組、雲雀丘5組、加古川南4組、明石城西3組ら40組が本戦に出場した。ベスト4は、村上・山本、真田・斎藤、田中・宇佐美、天米・池田の4組で、園田が独占した。決勝は村上・山本が真田・斎藤を61、60と降して優勝した。
 団体戦は、園田、夙川、明石城西、加古川南、雲雀丘、武庫川大附、龍野、啓明が、予選を勝ち上がり本戦に出場した。準々決勝は園田5-0龍野、雲雀丘3-2加古川南、明石城西5-0啓明、夙川5-0武庫川大附となった。ベスト4の学校による決勝リーグは、園田が3勝0敗で1位、夙川が2勝1敗で2位、明石城西が1勝2敗で3位、雲雀丘が0勝3敗で4位となった。園田は4年連続26回目の優勝を果たした。
 第32回全国選抜高校テニス大会近畿地区大会の決勝は兵庫対決となった。園田が夙川に3-0で勝利し、2年連続優勝を果たした。近畿1位・2位で全国選抜への出場権を得た両校の活躍を期待したい。

 第7回近畿公立高等学校テニス大会の兵庫県予選には、兵庫・神戸・市伊丹・伊丹北・加古川南・龍野・洲本・豊岡の8校が各地区を代表して出場した。加古川南が3戦全勝して1位で7回連続出場を決め、龍野が3勝1敗で2位となり初出場を決めた。近畿大会では加古川南が4戦全勝し、4回目の優勝を果たした。龍野は1勝3敗でベスト8となった。

 新人の本戦で、園田の圧倒的な実力を前にしても、高校からテニスを始めた龍野の選手は、往生際の悪いプレーを最後まで見せてくれた。公立高校大会で出会った選手達は、コート内は当然、コート外でも実に清々しかった。自分で限界をつくって諦めるのでなく諦めてしまう弱い自分を乗り越える、自分を支えてくれている周りの人々に感謝しつつ自分も周りの人々のために生きることを喜びとする、そうやって、テニスを通じて人間的に成長する、というような話を生徒にはよくしてきた。しかし、自分が言葉で話したことを背中で語っているか、逆に生徒の背中から教えられているのではないか、と思わされた。テニスを通じて生徒の成長を促しながら、生徒の成長する姿から自分も成長させてもらっている。今年は今まで以上に生徒に感謝しつつ、締切ぎりぎりまで原稿を書けない弱い自分を少しずつでも乗り越えようと反省しながら、これからも兵庫県のテニス界の頑張りがテニス以外にも良い影響が及ぶことを期待して、平成21年度の回顧を終わります。

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