兵庫県高等学校体育連盟テニス部

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規定・マナー

テニス審判員必携

高体連テニス部管轄の審判について

  1. 4~6月に実施される「総合体育大会」、10月に実施される「新人大会」の団体戦については「主審・副審」制を導入する。なお、2008年度から、従来の兵庫県ローカルルールを改訂し、「主審によるオーバールール」を認める。
  2. 上記大会の個人戦についてはプレーヤーがラインの判定をし、チェアアンパイアがそれ以外の判定をする「SCU(ソロ・チェアー・アンパイア)」方式を導入する。
  3. 大会は、団体戦では両校による相互審で、個人戦では前試合の敗者による敗者審で運営される。大会に出場する審判員、選手は審判規則をよく研究し、定められた審判制度に基づいて大会に参加すること。

≪目次≫

  1. 審判の業務(プレー開始まで)
  2. 審判の配置と判定ライン(団体戦時)
  3. 審判の主なコール
  4. 主審のテクニックと注意事項
  5. 副審のテクニックと注意事項
  6. 知っておきたいテニスルール
  7. こんな時どうする?……審判員Q&A
  8. SCU

兵庫県高等学校体育連盟テニス部

1 審判の業務(プレー開始まで)

(1)試合開始前の確認事項(主審)

  • ①試合前の確認。(対戦校名・対戦選手名・試合形式)
  • ②ネットが正しく張られているかを確認。
    • ●センターの高さ91.4cmの計測。
  • ③シングルスではシングルス・スティックを立てる。
    • ●シングルスのサイドラインの外側から91.4cmをメジャーで測り、そこがスティックの中心となる。
    • ●審判台から見てネットの左側と右側に1本ずつ立てる。
    • ●ダブルスの時は、シングルススティックを2本とも審判台の下に置く。
  • ④コートにゴミや異常がないか、確認する。

(2)プレマッチミーティング

  • これ以降の項目では団体戦は兵庫北高校対神戸南高校、個人戦では松岡選手(ペアは福井選手)対伊達選手(ペアは沢松選手)が対戦すると仮定して説明している。
  • アナウンスの発音は全てカタカナ表記にしている。「to」は「トゥ」、「2」は「ツー」と区別している。

団体戦開始時の挨拶

①「試合前の挨拶を行います。サービスラインにお並び下さい。」

  • ●ダブルスのコートで行う。挨拶はそのコートの担当審判員で実施する。
  • ●基本的に、番号の小さい学校が審判台から見て左側のコートに入り、整列する。
  • ●下図のように選手・審判員は整列する。

センターサービスライン

②「ただいまより、男子(女子)団体1回戦、兵庫北高校と神戸南高校の試合を行います。礼。」

  • ●監督と選手が全員そろってから。

③「ネットの前までお進み下さい。」

④「監督の先生はオーダー用紙の交換をお願いします。

⑤「監督の先生は、ダブルス・シングルス1・シングルス2の順に、選手の紹介をお願いします。」

  • ●番号の小さい学校から。
  • ●新人戦の場合はダブルス2本、シングル3本を紹介してもらう。

⑥「ありがとうございました。引き続き試合を行いますので、選手は準備をしてコートに入ってください。」

⑦「これで試合前の挨拶を終わります。礼。」

試合開始時(団体戦の各試合および個人戦)の挨拶

  • ●基本的に番号の小さい選手が審判台から見て左側のコートに入り、整列する。
  • ●下図のように選手・審判員は整列する。(下図はダブルスの例。)

センターサービスライン

①「ただいまより、兵庫北高校と神戸南高校のダブルスの試合を行います。」

②「試合は1セットマッチです。」(「8ゲームズプロセットです。」「3セットマッチです。」)

③「ウォームアップは3分間です。それでは、トスを行います。」

  • ●番号の小さい選手(左側の選手)に「ナンバー(表)」か「フラワー(裏)」かを聞く。
  • ●コインは空中でキャッチせず、コートに落とす。
  • ●コインをコート上に置いたまま、選手にコインの向きを確認させる。

④「何を選びますか?」

  • ●トスの勝者に次の1つを選択させる。
    • (あ)サーバーかレシーバーかの選択。(トス敗者はエンドを選択。)
    • (い)エンド(審判台から見て右側・左側)の選択。(トス敗者はサーバーかレシーバーかを選択。)
    • (う)相手に上の(あ)・(い)のどちらかを選ばせる。(=譲渡)
      • ※ トスに勝った選手が「サービスはいらないから、そのかわりこっちのエンドを選ぶ」というのは間違いである。この選手は「レシーバーになる選択」と「エンドを選ぶ選択」とをしたことになるからである。
  • ●主審は選手がウォームアップを始めた瞬間にストップウォッチを作動させ、審判台に上がる。
  • ●フットフォールトをする癖があるかを見ておく。

⑤「ツー、 ミニッツ」 ●1分経過

⑥「ワン、 ミニットゥ」 ●2分経過

⑦「タイム」 ●3分経過。ウォームアップ終了

  • ●試合開始が遅い場合は「プレーヤーズ レディー?」と言って、試合開始を促す。

(3)試合時のアナウンス

  • ①試合開始・・・サーバーが松岡選手の場合
    • 3セットマッチの場合
      • 「ザ ベスト オブ 3 タイブレーク セッツ、 松岡 トゥ サーブ、 プレイ」
    • 8ゲームズプロセットの場合
      • 「8ゲームズプロセット、 松岡 トゥ サーブ、 プレイ」
    • 1セットマッチの場合
      • 「1 セット マッチ、 松岡 トゥ サーブ、 プレイ」
  • ●「松岡」の部分は、団体戦では学校名(この場合は「兵庫北」)でアナウンスする。
  • ②アドバンテージ時のアナウンス
      • 「アドバンテージ 松岡」
    • ●団体戦では、学校名でアナウンスする。
    • ●個人戦は個人名でアナウンスする。(ダブルスではサーバーもしくはアドバンテージサイドの選手の名前。)
  • ③ゲームを取った時のアナウンス
    • ◇1ゲーム終了時
      • 「ゲーム 松岡(・福井)、 ファースト ゲーム」
    • ●アナウンスの手順は「ゲーム」→「取った方の名(学校名)」→「スコア」
    • ●ゲームカウントのアナウンスはそのゲームを取得したポイントの後に直ちに言う。次のゲームのサーバーがポジションにつく時ではない。
    • ●個人戦ダブルスでのゲーム終了時には、両選手の名前をコールする。
    • ◇1ゲーム終了時
      • 「ゲーム 伊達、1-1(ワン オール)」
        「ゲーム 松岡、松岡 リーズ 2-0(ツー・ラブ)」
    • ●チェンジエンドの時間は90秒以内である。60秒経過で「タイム!」とアナウンスする。
  • ④6オール時のアナウンス
      • 「ゲーム 伊達、 6オール、 タイブレーク」
  • ⑤タイブレーク時のアナウンス
      • 「1-0(ワン・ゼロ)松岡」  「1-1 (ワン・オール)」  「4-1(フォー・ワン)松岡」
    • ●タイブレーク中のスコアは、最初にスコアをアナウンスし(大きい数字を先に)、次にリードしている選手(学校)をアナウンスする。
    • ●タイブレーク中の「0」は、「ラブ」ではなく「ゼロ」とアナウンスする。
  • ⑥セット終了時のアナウンス(3セットマッチのみ)
      • 「ゲーム アンド ファースト セット 松岡、 7-6(セブン・シックス)、 セカンド セット」
        「ゲーム アンド セカンド セット 伊達、 6-4(シックス・フォー)、ワンセット オール、 ファイナ ルセット」
  • ⑦試合終了のアナウンス
    • ◇(松岡選手が8ゲームズプロセットの試合でタイブレークの末に勝利した場合)
      • 「ゲーム セット アンド マッチ 松岡、 9-8(ナイン・エイト)」
    • ◇(伊達選手がセットカウント2-1で勝利。ゲームカウントは6-7、6-4、6-0)
      • 「ゲーム セット アンド マッチ 伊達、 ツー セッツ トゥ ワン。
        6-7、 6-4、6-0(シックス・ セブン、 シックス・フォー、シックス・ラブ)」

(4)団体戦の全対戦終了時

  • 団体戦終了時の挨拶
    • ①「○番コートのサービスラインにお並び下さい。」
      • ●団体戦の試合前の挨拶と同様に整列する。
    • ②「ただ今の試合は、2-1で兵庫北高校の勝ちが決定致しました。礼!」

2 審判の配置と判定ライン(団体戦時)

  • ■主審が判定するラインは
    • ・サーバーがセンターマークの仮想延長線上を越えてサーブ(=フットフォールト)をしていないかも判定する。
  • ●副審が判定するラインは
    • ・サービスラインの判定をして、ポスト(ポール)横に移動する。(ポストには触れないこと。)

3 審判の主なコール

  • (1)フォールト(Fault)
    • ①サービスがサービスコートの外に落ちた時のみコールし、ネットにかかった時は言わない。
    • ②主審はセカンドサービスがフォールトした時に「ダブル・フォールト」と言ってはいけない。
      • 2回目の「フォールト」のコール後、直ちにポイントをアナウンスする。
  • (2)アウト(Out)
    • ①ネットを越えた打球がコートの外側に落ちるか、パーマネント・フィクスチュア(審判台やフェンスなど)やコート外の何かにノーバウンドで触れた時。
    • ②明らかにアウトが予想されても、ボールがバウンドするまではコールしてはならない。
  • (3)レット(Let)
    • ①「サービス・レット」の場合、「レット、ファースト(セカンド) サービス」とコールし、そのサービスのみやり直す。
    • ②「ポイント・レット」の場合、「レット」とコールしてプレイを止め、全てファーストサービスからやり直す。
      • ●他のコートからボールが進入してきたなどの場合は、ためらわずに「レット」をコールする。
      • ●「レット」は選手から要求することはできないので、主審が速やかに対応する。
      • ●「レット」のコールの直前の打球がアウトやネットの場合は打った選手の失点になる。
        • エースの場合は、ポイントはそのまま成立する。
        • (そのボールが打たれた瞬間に妨害になっていたかの見極めが大切!)
      • ●シングルス・スティックがはずれた場合は、直ちに「レット」をコールする。
    • ③ファーストサービスをフォールトし、セカンドサービスを行うまでに妨害(他コートからのボールの進入など)があった場合でも、サーバーがレディポジションに入っていたときは「ポイント・レット」となる。
      • ●「レディポジションに入る」とは「トスを上げるための一瞬の静止状態になる」ことをいう。
      • ●レディポジションに入っていない場合は、「ウェイト・プリーズ」とコールし、セカンドサービスを行う。
  • (4)フット・フォールト(Foot Fault)
    • ①サーバーが構えてからインパクトの瞬間までに、次のことが起こればフット・フォールトである。
      • ●ベースラインを踏んだ。
      • ●サイドラインやセンターマークの仮想延長線を越えた。
    • ②フット・フォールトは、サーバーがボールをインパクトした直後にコールする。(インパクト前のコールは審判による妨害であるため「レット」となり、ファーストサービスからやり直しとなる。)
    • ③ウォームアップ時より選手の癖に注意し、見つけ次第、フット・フォールトを取ること。
  • (5)ノット・アップ(Not Up)
    • ①プレーヤーが打つ意志をもってツーバウンド以上で打ったボールがネットが越えた時。
  • (6)スルー(Through)
    • ①打球がネット(の穴)を通り抜けた時。
  • (7)ファウル・ショット(Foul Shot)
    • ①故意による2度打ち。(偶然の二度打ちは失点とならず、プレイを継続する。)
    • ②ボールがネットを越してくる前に打った時。(いわゆる「オーバーネット」。)
    • ③ダブルスで、パートナー同士が続けて打った時。
  • (8)タッチ(Touch)
    • ①インプレイの間、身体・ラケット・着衣・持ち物(以上3つは手(身体)から離れていても)がネット・ポスト・バンド・ストラップ・相手コート内の地面に触れた時。
    • ②ボールが、手から離れたラケット・身体・着衣及び持ち物に触れた時。
  • (9)ヒンダランス(Hindrance)
    • ①プレーヤーが相手を妨害した時。故意ならば失点、無意識ならばポイント・レット。
    • ②インプレイ中に、ラケット・シューズ以外の持ち物(帽子、2コ目のボール等)を相手コート以外の場所に落とした時、「2回目以降はヒンダランスとして失点となります。」と選手に伝えたうえで、1回目のみ「レット」とする。
      • ●相手コートに落とした場合は即失点となる。
  • (10)ウェイト・プリーズ(Wait Please)
    • ①サーバーがレディポジションに入る前に、他コートからボールが進入した場合、レシーバーや副審がポジションについていない場合は「レット」ではなく、「ウェイト・プリーズ」とコールする。
  • (11)コレクション(Correction)
    • ①主審が「フォールト」や「アウト」のコールが明らかに誤りであると判断した時。コールは「コレクション、(ザ ボール ワズ) グッド。」であり、ポイント・レットとなる。
      • ●ポイント・レットとなるのは、審判のコールでプレーヤーが妨害を受けたと判断するためで、この場合はさらに「レット」をコールする。
      • ●「アウト」や「フォールト」のコールに関係なく、返球の可能性が全くなかったと判断した場合は、そのままボールを打ったプレーヤーの得点とする。
    • ②副審がグッド(いわゆるイン)とジャッジしても、主審から見て明らかにアウト(フォールト)の時は「コレクション」をコールせず、「アウト」もしくは「フォールト」と直ちにコールする。 この場合、主審の判断が優先する。
    • ③選手の抗議(クレーム)によってオーバールール(覆すこと)してはならない。主審は抗議に対し、「~と思う」ではなく、毅然とした態度で「アウトでした」とはっきり答えること。
    • ④コールを言い間違えた時などに「15-0・・・コレクション0-15」などと訂正する。
    • ⑤副審が「アウト」・「フォールト」とコールし、シグナルを出した後で間違いに気づい場合は、「コレクション」と言い、「イン」のシグナルを出す。この場合、主審は明かなエースボールの場合以外は「レット」をコールする。

4 主審のテクニックと注意事項

  • (1)コールとアナウンス
    • ①副審のついているラインも含めて、全てのラインコールの責任は主審にある。
    • ②常にポイントスコアとサーバーを頭に入れておく。ポイントが決まったら、何よりもまずアナウンスする。
    • ③スコアのアナウンスはタイミングよく行う。原則は、ポイントが決まったら「直ち」に「ハッキリ」と「大きな声」でアナウンスする。場合によっては拍手や声援の収まるのを待ってアナウンスする。
    • ④サーバーがサービスの用意に入ったら、必ずレシーバーをチェックする。
    • ⑤ポイントが決まったとき、失点した選手を視野に入れておく。何か選手が質問したら答える。
    • ⑥オーバールールするときは直ちにすること。プレーヤーの抗議のあとではできない。
    • ⑦副審の「アウト」・「フォールト」のコールは、必ず繰り返す。
      • ●副審がジャッジをしなかった場合やできなかった場合、代わりにコールする。
    • ⑧特にきわどいジャッジのあとは、失点した(またはフォールトした)選手、コールした副審に目を配る。
      • ●選手が「目」で確認を求めてきた場合は、アウトなら人差し指を軽くたて、インなら指をそろえて手のひらを下に向けて、判定が正しいことを伝える。
  • (2)時間管理
    • 20秒 :ポイントとポイントの間は20秒以内とする。
    • 90秒 :エンドの交代は90秒以内とする。奇数ゲームが終了した時点で、ストップウォッチで計る。
      • ●60秒経過したら「タイム!」とアナウンスする。
    • ①主審はストップウォッチを首からかけ、ポイント、ゲームの終了とともに計時する。
    • ②選手からの抗議には、再度自分が下した判定をアナウンスする。それでも選手がプレイしない場合は「レッツ・プレイ!」とアナウンスする。
    • ③疲労回復などのためにスローペースでプレイをする選手がいれば、20秒・90秒を確実に計時し、時間以内にプレイをしない場合は、「タイム!」とアナウンスする。
      それでもプレイしない、または同じことを繰り返した場合、コートレフェリーの指示に従って「タイム・バイオレーション」をアナウンスする。
      • ●アナウンスは「タイム・バイオレーション。ウォーニング、 ○○選手」(=警告)
      • ●2回目以降は「タイム・バイオレーション。ポイント ペナルティ、 ○○選手、(新しいスコアのアナウンス)」(=ペナルティとしてアナウンスのたびに1ポイントを失う。)
      • ●場合によってはコード・バイオレーションに移行することがある。
    • ④タイブレークのチェンジエンドではベンチに座ってはいけない。
      • ●ただし、汗を拭いたり、水分を補給することは可能である。
  • (3)オーバールール
    • ①副審の明らかなミスジャッジに対しては、直ちにオーバールールする。
    • ②決して選手や監督の抗議によってオーバールールしてはならない。
    • ③インのボールを「アウト」や「フォールト」とミスジャッジのコールをした場合、「コレクション! (ザ ボール ワズ) グッド」と直ちにコールして訂正する。
      • ●主審がエースボール又はあきらかなアウト/ネットと判断した場合は、ポイントを成立させる。 それ以外の場合は「レット!」とコールし、ポイント・レットとする。
    • ④アウトやフォールトのボールを「イン」とミスジャッジした場合、「アウト」、「フォールト」と直ちにコールして訂正する。
  • (4)クレームに対する処理とその事例
    • 処 理
    • ①事実問題(アウトかインかなど)についての最終判定者は主審であり、レフェリーではない。
      • ●プレーヤーの要求で、自らの判定や副審の判定をオーバールールしてはならない。
      • ●選手や監督にレフェリーを呼ぶ権利はない。
    • ②ボールマークの確認は、オムニコートでは出来ない。
      • ●選手がボールマークの確認を要求しても、応じてはならない。
    • ③クレームに対して、「~と思います」というあいまいなジャッジではなく、毅然とした態度で「今のはアウトでした」と明確な表現で答えること。
    • 事 例
    • ①選手・監督「今のボールはアウト(イン)じゃないんですか?」
      • 主審「今のボールはイン(アウト)でした。」と言って、もう一度スコアをコールする。
    • ②選手「ボールマークを確認してくれ!」
      • 主審「オムニコートではボールマークは調べられないことになっています。」と言って、もう一度スコアをコールし、「レッツ・プレイ!」で試合を進行させる。
    • ③選手「今のサービスはレットだろ!」
      • 主審「私には確認できませんでしたので、ポイントは成立します。」
    • ④選手の陰に隠れたボールをジャッジできず「レット」のコールをしたら、選手が説明を求めた。
      • 主審「選手の陰に隠れてアンサイトだったので、レットでお願いします。」
  • (5)コートレフェリーを呼ぶケースと、ソフトウォーニングの事例
  • コートレフェリーを呼ぶケース
  • ①選手、ベンチコーチ、観客のコード・バイオレーション(悪質な態度など)などを発見した場合。
    • ●「コード・バイオレーション」にあたる行為は以下のものである。
      • ・不当な遅延行為
        • 「レッツ・プレイ!」の指示から20秒以内に試合を開始しない。
        • メディカルタイムアウトによる中断後、30秒以内に試合を再開しない。
        • 疲労や体力消耗によって、試合が続行できない。
      • ・声やしぐさによる卑猥な表現
      • ・コーチング(選手の携帯電話が鳴った場合もこれに該当する)
      • ・ボール・ラケットまたは用具の乱用
      • ・言葉での侮辱
      • ・身体に対する危害
      • ・その他、スポーツマンらしくない行為
        (相手側コートのボールマークを調べようとして、相手方コートに行くなどの行為も含む。)
    • ●コートレフェリーからアナウンスを指示されたら、「コード・バイオレーション、 ラケットの乱用、 ウォーニング、 ○○選手」のように行う。
    • ●コートレフェリーが直接ペナルティーを科することもある。
  • ②選手がケガ・体調不良やけいれんを起こした場合。
  • ③選手がトイレット・ブレークを要求してきた場合。
  • ④ボールが、コート外に出て、探したが見当たらない場合。
  • ⑤法的問題(ルールの解釈)について、主審の判定にプレーヤーがクレームを付けてきた場合。
  • ⑥その他、突発的な出来事や困った事態になった場合。
  • ソフトウォーニングの事例
    • ●次のような場面を見た場合、「ソフトウォーニング」によって、事態を収拾するように努める。
    • ●いずれの場合も、ソフトウォーニングを伝えた後は、その内容をコートレフェリーを呼んで報告すること。
  • ①インプレイ中に選手に向かって監督がアドバイスしている。
    • 主審「インプレイ中のアドバイスはお控えください。」
    • 「アドバイスはチェンジエンドの時のみにしてください。」
  • ②監督がエキサイトして大声を出したり、派手なガッツポーズをとったり、立ち上がったりしている。
    • 主審「お静かにねがいます。」
    • 「チェンジエンドの時以外は立ち上がらないでください。」
  • ③監督がベンチをはさんで両方のコートの選手を応援している。
    • 主審「応援はこちらのコートのみにしてください。」
  • ④チェンジエンドの際、ボールパーソンが選手をあおいであげている。
    • 主審「ボールパーソンはネット付近にいてください。」
  • ⑤選手が審判に暴言を吐いた。
    • 主審「次に暴言を吐いたら、コード・バイオレーションになります。」
    • →ただちにコートレフェリーを呼ぶ。
  • ⑥著しくマナーに反する応援を行う観客がいる。
    • 主審「静かにして下さい。」

5 副審のテクニックと注意事項

  • (1)副審のコールとハンドシグナル
    • ①コールは「フォールト」、「フットフォールト」、「アウト」、「コレクション」の4種類。
    • ②コールは短く。フォールトは「フォ!」アウトなら「アウ!」と発音すると聞き取りやすい。
    • ③ボールが落ちた瞬間に素早くコールし、その後にハンドシグナルを出す。
    • ④「イン」の場合は無言で両手指先を揃えて手のひらを下に向けて「グッド」のシグナルを出す。
      • ●「グッド」のシグナルはラインから60cmをひとつの目安とする。
    • ⑤「アウト」、「フォールト」の場合はコールと共にアウト、フォールトした方向に腕を広げ、手のひらを主審に向け、3秒間静止する。
    • ⑥選手の体で隠されるなどしてどうしても見えなかった場合は、両手をほほの位置にあげる。
      • ●これを「アンサイト」といい、この場合は主審が判断する。
        主審にも見えなかった場合は、ポイント・レットとする。
  • (2)ボールの見方
    • ①じっとラインを見ていては、いつボールが来るかわからず、正確な判定がむずかしい。
       担当ラインの近くにボールが来ない時はプレイを見るとよい。
    • ②ボールがラインに来ると思ったら、ボールを目で追いかけるのではなく、ボールよりも先にラインの外側に注目するように心がける。
    • ③サービスラインについては、サーバーがレディポジションを取るまで様子を見る。
       サーバーがトスの動作に入ったら、ラインの外側に視線を集中させる。
    • ④基本的には担当ラインの延長線上に構えるが、プレーヤーのポジションでラインが見えない場合は速やかに最も見やすい位置に移る。
    • ⑤ムービングは、次のボールの判定ができるように、プレイを見ながら素早く走って移動する。
  • (3)訂正
    • ①インのボールを間違って「アウト」または「フォールト」とコールした場合は、直ちに「コレクション」と大きな声でコールし、「グッド」のシグナルを出す。
    • ②アウトのボールに対してグッドシグナルを出した場合は、直ちに「アウト」、「フォールト」のコールをしてハンドシグナルを出す。「コレクション」は必要ない。
    • ③間違いを訂正することは恥ではない。悪びれることなく積極的に訂正すること。
    • ④主審にオーバールールされた時は、ハンドシグナルをすぐに戻し、判定に従う。
  • (4)クレームに対する処置
    • ①選手が抗議してきても、選手と目を合わせて、ハンドシグナルを継続させる。選手と会話をかわす必要はない。曖昧な態度、照れ笑いは、かえって立場を悪くする。
    • ②クレームの処理については、すべて主審に任せる。
    • ③オムニコートでは、ボールマークを調べることは出来ない。
  • (5)その他
    • ①ジャッジに集中するために、審判員はボールを拾う必要はない。
    • ②選手が勝手にジャッジ(声や仕草等)することに、決して惑わされてはならない。
    • ③選手・監督・観客から何か言われた場合は、言い返さず、遠慮せずにコートレフェリーに報告し、「注意」「警告」等を取ってもらうこと。
    • ④試合中、コートを離れる必要がある時は、コートレフェリーに申し出て、許可を得ること。

6 知っておきたいテニスルール

  • パーマネント・フィクスチュア
    • ●「パーマネント・フィクスチュア」とは「コートの周りにある全ての施設、設備、主審、副審、ボールパーソンのこと」をいい、シングルス時にはシングルス・スティック外側のネットポストやネットもパーマネント・フィクスチュアとみなされる。
  • Q1:インプレイ中のボールを地面に落ちる前に、ボールパーソンや副審がうっかりつかんだ場合は?
    • A1:ボールを打った者の失点になる。
  • Q2:シングルス・スティックを立ててシングルスを行っているとき、ラリー中のボールがダブルス用ポストに触れて相手方のコートに入った場合は?
    • A2:シングルス・スティックの外側はパーマネント・フィクスチュアであり、バウンド前にパーマネント・フィクスチュアに当たった場合は失点となる。
  • Q3:シングルスを行っているとき、シングルス・スティックとダブルス用ポストとの間にあるネットに、インプレイ中のプレーヤーが触れた場合は失点になるか?
    • A3:パーマネント・フィクスチュアに触れても、失点にはならない。
  • Q1:インプレイ中のボールを地面に落ちる前に、ボールパーソンや副審がうっかりつかんだ場合は?
    • A1:ボールを打った者の失点になる。
  • ボール
  • Q1:インプレイ中にボールが破れた場合は?
    • A1:そのポイントをやり直す。
  • Q2:ポイントが終わったとき、ボールが軟かくなっていたら、そのポイントはやり直すか?
    • A2:ボールが破れたのではなく、単なる軟化の場合、ポイントはやり直さない。
  • ラケット、ストリング
  • Q1:ラリー中にストリングが切れた場合は?
    • A1そのポイントはそのままでプレイしなければならないが、ポイント終了後ただちに正規のラケットに交換する。持っているラケットのストリングが全部切れた場合、プレーヤーはコートレフェリーの許可を得て、第三者にラケットの補充を頼むか、プレーヤー自身がコートを離れることができるが、いずれの場合も次のポイントが始まるまでの時間内(20秒または90秒)で用意しなければならない。時間内に再開できない場合はコード・バイオレーションの対象となる。
  • サービス、サーバー
  • Q1:ダブルスで、サーバーのパートナーに当たったサービスの扱いは?
    • A1:フォールトとなる。
  • Q2:ファーストサービスの打球時に、サーバーのストリングが切れ、そのサービスがフォールトの場合は?
    • A2:切れたままセカンドサービスを打っても、ラケットを交換してセカンドサービスを打ってもよい。
  • Q3:サービスがシングルス・スティックにあたったあと、正しいサービスコートに落ちた場合は?
    • A3:地面に落ちる前にパーマネント・フィクスチュアやシングルス・スティックまたはネットポストに触れた場合はフォールトとなる。
  • Q4:ファーストサービスがネットにあたったはずみでシングルス・スティックが倒れた場合は?
    • A4:ポイント・レットになる。スティックを立て直して、ファーストサービスからやり直す。センターストラップの止め金がはずれた場合なども同じである。
  • Q5:サーバーが誤ったサイドからサーブするのが発見された場合はどうするか?
    • A5:ただちに誤りを訂正し、スコアに応じた正しいサイドからサーブする。誤りが発見される前にフォールトしたサービスは成立する。
  • Q6:サーバーの順序が間違っていることに気づいた場合はどうするか?
    • A6:気づきしだい、本来のサーバーに代わる。気づいたときに、すでにゲームが終了していた場合は、入れ替わったままの順番で行う。
  • Q7:タイブレーク中にサーバーの順序が間違っていることに気づいた場合はどうするか?
    • A7:偶数ポイント終了時に気づけば正しい順番に戻し、奇数ポイント終了時に気づけば順番が入れ代わったままプレイを続ける。
  • レシーブ、レシーバー
  • Q1:ファーストサービスがフォールトになった時にレシーバーのストリングが切れた場合は?
    • A1:レシーバーはラケットを換えないでそのままそのポイントをプレイしてもよいし、すぐラケットをかえてもよい。
      ただし、レシーバーがラケットを換えた場合は、ポイント・レットとなり、ファーストサービスが与えられる。
  • Q2:ネットに触れて飛んできたサービスのボールを、レシーバーが思わずノーバウンドでつかんでしまった場合は?
    • A2:サービス・レットとなり、そのサービスをやり直す。
  • Q3:ダブルスでサーブしたボールが、地面に落ちる前にレシーバーのパートナーに当たった場合は?
    • A3:ボールを当てられたプレーヤー(チーム)の失点となる。
  • Q4:レシーバーがいったん構えた後、サーバーがセカンドサービスを打つ寸前に、レシーバーが手を上げて「ノットレディ」を知らせたが、サーバーが気づかずにサーブを打ってしまった場合は?
    • A4:ファーストサービスからやり直す。
  • Q5:ダブルスのゲームの途中で、レシーブの順序を間違えていることに気づいた場合は?
    • A5:そのゲームはそのままの順序でレシーブを行い、次のレシーブ・ゲームで本来の順番に戻す。
  • プレーヤーの失点と有効返球
  • Q1:届かないと思って投げたラケットにボールが当たり、相手コートに入った場合は失点になるか?
    • A1:手から離れたラケットにボールが当たった場合は失点である。
  • Q2:プレーヤーが、ネットの仮想延長線を越えて相手側に入り込んだ場合は失点になるか?
    • A2:相手コートに入らない限り、返球の前後に関わらず失点にはならない。
  • Q3:シングルス・スティックにあたったあと、正しくコートに入っても失点になるか?
    • A3:ならない。有効返球である。(ただし、サービスの場合はフォールトとなる。)
  • Q4:ボールがバウンドした後、逆回転がかかって(風に戻されて)ネットを越えて相手側に戻ったので、ネットを越えて返球した場合は失点になるか?
    • A4:ならない。有効返球である。
  • Q5:ネットの自分側で打った後、ボールは正しく返球されたが、自分のラケットがネットを越えて相手側に突き出た場合は失点になるか?
    • A5:ならない。有効返球である。
  • 妨害
  • Q1:インプレイ中、隣のコートのプレーヤーが勢いあまって自分たちのコートへ走りこんできて、自分たちのプレイが妨害を受けた。この場合、レットとしてポイントのやり直しはできるか?
    • A1:できる。
  • Q2:インプレイ中のボールが、空中で他のボールと当たった。この場合、レットとしてポイントのやり直しはできるか?
    • A2:できる。
  • Q3:ポイントが始まったとき、すでにコート上に転がっていたボール、または他の物体がプレイ中に邪魔になった。この場合、レットとしてポイントのやり直しはできるか?
    • A3:妨害ではないので、やり直しはできない。
  • 誤りの訂正
  • Q1:誤りが発見されたときは、誤りに気づくまでに行われたポイントは、どうなるか?
    • A1:原則として、誤りに気づくまでに行われたポイントは有効である。
  • Q2:プレーヤーが誤ったエンドにいることが発見された場合はどうするか?
    • A2:ただちに誤りを訂正し、スコアに応じた正しいエンドからサーブする。
  • コーチング
  • Q1:団体戦では、タイブレークのチェンジエンドの時でも、コーチングを受けることができるか?
    • A1:できない。
  • その他
  • Q1:試合中に選手が、シューズの交換を申し出てきた場合はどうするか?
    • A1:「汗で湿ったシューズを取り替えたい」ときは、1試合に1回に限り、チェンジエンド時にコート内に予備のシューズやソックスが用意されていれば履き替えるための時間延長が認められる。「シューズがすべる」などの理由でコートを離れることはできないが、破損した場合は、「用具の不具合」として、会場内に予備の用具がある場合に限り、理にかなった時間内で取りに行くことができる。

7 こんな時どうする?……審判員Q&A

  • (1)コール
  • Q1:ダブルスでポーチに出た選手のラケットが、かすかにボールにあたり、「プチッ」と音がしたが、他の3人は気づかずプレイを続行しようとした。この際、どういうコールをすればいいのか?
    • A1:「タッチ」とコールする。
  • Q2:ボール侵入時の「ウェイト」と「レット」の違いは?
    • A2:「レット」とは「やり直し」という意味で、ファーストサービスをフォールトし、セカンドサービスを打つ動作に入る直前にボールの侵入があった場合は、そのポイントをファーストサービスからやり直す。ファーストサービスを打つ前であれば、単なる「ウェイト」で「タイム」ではない。テニスにおいての「タイム」は「時間になりました。プレイを始めて下さい。」という意味で、「外部からボールが侵入した」、「主審がスコアシートを記入している」、「副審が、まだ定位置に戻っていない」などといった状況に気づかずに選手がプレイを始めようとした場合は、「ウェイト、プリーズ」とコールする。
  • Q3:学校では、ラリー中はずっと、「イン」のハンドシグナルをし続けなさい、と指導されたが?
    • A3:必要ない。「イン」のシグナルはラインから60㎝以内の時だけである。明らかに「イン」のボールに対して、いちいちハンドシグナルを出す必要はない。
  • (2)判定
  • Q1:スコアを記入しているうちに選手がプレイを始めてしまい、全くボールの行方を見届けていないショットに関して「イン」か「アウト」かを問いつめられたのだが?
    • A1:主審に認識できないプレイはすべて存在していないと同然で、ポイントレットとなる。ただし、この場合はスコアをより早く記入する努力をすべきである。しかし、記入を焦るあまりポイント成立後すぐに用紙に目を落とすのは良くない。判定を確認するために、失点した選手が主審に視線を向けることがよくあるが、選手と目をあわせてうなずくだけでも、信頼されるようになる。
  • Q2:副審をしていて、目の前のベースラインで、ボールは確かに「アウト」に見えた。しかし、主審は「イン」と判断し、選手の激しいクレームを受けている。この場合、副審の立場で主審に対して、「今のボールは確かにアウトだった」などと助言はできるか? また、主審がその助言を聞き入れて、判定を覆すことはできるか?
    • A2:できない。副審は、本来見るべきライン以外には何らの権限も持たない。また、主審は他からの助言で判定を覆す必要はない。ただし、主審自身が間違いに気づいた場合は訂正すべきである。
  • Q3:松岡選手が打ったサイドラインぎりぎりのボールを、副審は「イン」の判定を下したが、伊達選手は「アウト」を主張し、松岡選手も自分のボールのアウトを認めたので、伊達選手は自分のポイントを要求した。
    • A3:事実問題に関して、主審の判定は最終であり、審判はプレーヤーの要求によって判定を覆してはならない。ただし、プレーヤーが、自らの不利益を理解して、相手の獲得ポイントとして認める場合、ポイントのコンシード(Concede)として、相手プレーヤーへのポイント譲渡が認められる。
  • Q4:松岡選手のボールへの主審の「アウト」の声が小さく、両校の選手はまだプレイを継続しているが?
    • A4:松岡選手の失点を再度大きな声でコールする。ポイントが決まった時は「ただちに」、「大きな声で」、「はっきりと」スコアをアナウンスする。
  • (3)順序
  • Q1:タイブレークのあと、次のセットのサーバーとコートがわからなくなった。
    • A1:長引いて、チェンジエンドが何回あっても、タイブレークは1ポイント目のサーバーの1ゲームと考える。松岡選手がタイブレーク最初のサービスを打った場合、タイブレーク終了後、次のセットのファーストゲームは、伊達選手のサービスとなる。この際、スコアは7-6なので、必ずチェンジエンドをする。そのチェンジエンドは、最終ポイントをプレイしたエンドから必ず交代するということである。
  • (4)妨害
  • Q1:松岡選手のファーストサービスがネットにかかり、サービスラインあたりに転がった。松岡選手は、そのボールを放置してセカンドサービスを打ち、ラリーが続いた。ネットに出ようとした松岡選手は転がっていたボールが邪魔になり、とっさにラケットでボールをのけたところ、そのボールはネットで止まらず、ネットの下を抜けて相手コートにまで転がってしまった。どうなるか?
    • A1:ネットにかかったファーストサービスのボールは、それ以降コート内の石ころと同じで、ボールにラリー中のボールが当たってイレギュラーしても返球しなければならない。邪魔になったボールをのけようとして、そのボールがネットに当たったとしても失点にはならない。しかし、相手コートまで転がった場合は、明らかに相手への妨害となり、失点する。
  • Q2:選手がついセルフジャッジの癖が出て、「アウト!」と言いながら軽く返球した。相手選手は不審そうな顔をしながらもラリーを止めてしまった。主審の判定は「イン」であった。この場合はどうなるか?
    • A2:「アウト」と言った瞬間に、相手選手への妨害行為(ヒンダランス)となり、「アウト」と言った選手の失点となる。
      • ●打球時に大きな声を出す選手においては、まぎらわしく聞こえる場合がある。声が相手を妨害していると主審が認めた場合は、「レット」をコールしてプレイのやり直しを命じる。また、プレイの再開の前に、このプレーヤーに対して、「次に同じようなことをしたら、そのたびに『故意に相手を妨害した』として失点する。」ことを告げる。
  • Q3:ダブルスのレシーバーのパートナーがサーバーの気をそらそうとして妙な動きを見せるのだが、警告する必要があるか?
    • A3:明らかに妨害にあたると主審が判断した場合、「故意の相手への妨害」により失点となる。ただ、フォーメーションや、ポーチなどの「フェイク」の場合もあり、適用は難しい。戦略からあまりにはずれ、妨害行為としかみえないような場合、必ずコートレフェリーを呼ぶ。

8 SCU(ソロ・チェア・アンパイア)方式

  • 1)SCUはラインの判定以外の判定を行う。
  • 2)プレーヤーは自分側のラインの判定をする。SCUがそのプレーヤーの判定が明らかに間違っていると判断した場合、直ちにオーバールールし、次の通り処理する。ただし、プレーヤーがアピールした後に、オーバールールすることはできない。
    • ①プレーヤーの「アウト」、「フォールト」のコールをSCUが「グッド」とオーバールールした場合、そのプレーヤーは失点する。
    • ②ネットに触れたあとネットを越えてバウンドしたサービスを、レシーバーが「フォールト」とコールし、SCUが「グッド」とオーバールールした場合は(サービスの)レットとなる。
    • ③プレーヤーの「グッド」の判定を、SCUが「フォールト」または「アウト」とオーバールールした場合は、SCUのその判定が成立する。
  • 3)「レット」、「ネット」はSCUがコールする。プレーヤーが誤って「レット」または「ネット」をコールした場合は、以下の通り処理する。
    • ①そのコールによってプレーが停止された場合は、コールをした選手の失点。
    • ②そのコールにかかわらず、プレーが続きポイントが終了した場合は、ポイントが成立する。
    • ③そのコールに両選手が合意し、やり直しに同意している場合、「レット」または「ネット」としてやり直す。

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