令和3年度 女子 回顧録 明石城西高等学校 上河 稔[回顧録-女子]
2022年05月06日
<はじめに>
2021年度も昨年度同様、新型コロナウイルスに振り回される1年であった。
4月25日~6月20日、8月20日~9月30日と長い期間、兵庫県に緊急事態宣言が発令され、部活動においては練習時間や日数の制限、練習試合や大会の制限、団体戦においてもメンバー以外のテニス部員が応援に行けない(無観客試合)など、「当たり前」の活動ができない1年であった。
唐突ですが、「当たり前」の対義語は何だと思いますか。「怪談説法」で話題の京都府・光照山蓮久寺の三木大雲住職によると、それは「有り難い」だそうだ。
三木住職は、仕事が上手く行かず生活が困難な時や、身体を壊してしまった時期を経て、水一滴の大切さ、健康であることの大切さに気付いたそうだ。
「当たり前」だと思っていることは「有ること難し」、つまり「有り難い」ことだと語られていた。
2年前までは、テニスの練習ができて当たり前、試合が開催されて当たり前、チームメイトや保護者がチームの応援ができて当たり前であった。
しかし、この厳しい情勢だからこそ、部活動に取り組んでいるみなさんには、練習ができることや試合に出場できることの「有り難さ」など、常に感謝の気持ちを忘れず、毎日の練習や生活をしてもらいたい。
では、本年度の大会を振り返ってみる。
<総体個人戦・団体戦>
団体戦においては、第1シードの相生学院が5年連続7度目の優勝を果たした。準優勝は第2シードの園田学園、ベスト4には雲雀丘と加古川南が入った。
特に今年度も相生学院の活躍が目立ち、初戦から決勝まで1本も落とすことなく、全試合ストレート勝ちで優勝を果たした。
個人戦においては、シングルスでは里菜央(相生学院)が1年生ながら見事優勝を果たした。ついこの前まで中学生だったとは思えないプレーで上位シードを圧倒した。
特に、ボールコントロールと安定性の高さは目を見張るものがあった。準優勝は石川こころ(相生学院)、第3位に西本稲音(相生学院)、中村藍(園田学園)が入った。
ダブルスでは優勝は武本・石川(相生学院)、準優勝は上林・西本(相生学院)、第3位に小畑・小野(相生学院)、吉田・竹本(園田学園)が入り、単複ともに、団体戦同様、相生学院の活躍が目立った。
<新人戦個人戦・団体戦>
個人戦は、毎日、雨、雨、雨と8月赤穂では珍しいくらい雨にたたられた。
西地区の顧問(ロービングアンパイア)の先生方をはじめ、引率顧問の先生方が率先して水取りなどのコート整備に協力して下さった。
そのおかげで、この大会を終えることができたことを本当に感謝している。
また、当初予定の3日間では全試合消化できず、4日目は会場を「青野運動公苑」に移し試合を行い、なんとかこの大会を終了することができた。
シングルスでは、総体同様、里菜央(相生学院)が優勝を果たした。
巧みなボールコントロールとチェンジオブペースで相手を圧倒し、本戦2回戦~準々決勝はすべて6-0、準決勝6-2、決勝6-3と危なげない試合運びであった。
1 年生ながら、もうすでに王者としての貫禄さえうかがえた。準優勝は永澤亜桜香(西宮甲英)、第3位に小畑コトリ(相生学院)、速水莉南(相生学院)が入った。
ダブルスでは、優勝は大山・永澤(西宮甲英)、準優勝は里・田島(相生学院)、第3位は吉田・竹本(園田)、門脇・小山(西宮甲英)と西宮甲英の活躍が目立った。
西の横綱相生学院、東の横綱西宮甲英という番付であり、一人横綱時代から、二人横綱の時代になったことを思わせる結果であった。
団体戦では相生学院が8年連続8度目の優勝を果たした。最終順位は、優勝:相生学院、準優勝:西宮甲英、第3位:園田、第4位:雲雀丘であった。
しかしながら、今年度の新人団体は、絶対的王者相生学院も簡単な大会ではなかった。
決勝リーグの園田戦では4勝1敗で勝利したものの、ダブルス1が 8-6、シングルス2が9-8(6)、シングルス3が6-8と名門園田に苦しんだ。
また、同じく決勝リーグの西宮甲英戦では結果は3勝2敗で勝利したものの、出場7名中6名が1年生である西宮甲英にここ数年ではないくらい苦しめられる試合となった。
スコアは、シングルス1が8-2、ダブルス1が8-5、シングルス2が4-8、ダブルス2が8-2、シングルス3が5-8であった。
一テニスファンからすると、来年度の新人団体がどうなるのか今から楽しみである。
<公立大会>
昨年度、県公立大会が行われ県代表4校(葺合、明石城西、加古川北、加古川南)が決定されたにもかかわらず、「近畿公立大会」に兵庫県チームが出場することができなかった。
新型コロナウイルスの拡大において、教育委員会が県外での練習試合等を禁止したためであった。
今年度の大会は、昨年度出場権を奪われた先輩たちの無念を胸に後輩たちが挑むという、今までにはない何とも言えない大会であったように思う。
昨年度、幻の近畿公立を決めた4校のうち、加古川北と明石城西が今年度の近畿の切符を勝ち取った。また、宝塚西が第3代表として近畿出場を果たした。
1月5日6日にメンバーのみ会場への入場が許可されるという制限の中で「近畿公立大会」は行われた。
結果は加古川北がベスト4、明石城西がベスト8という結果であった。
この大会後すぐの1月中旬には、全国的に再び新型コロナウイルスの感染者が激増し、1月27日~3月6日と長い期間「まん延防止等重点措置」が兵庫県全域に発令され、練習試合等が禁止となった。なんとか滑り込みセーフで近畿公立大会が行われたこと、出場できた選手たちが一生の思い出を築くことができたことを本当にうれしく思う。
<おわりに>
長年、県高体連役員として高体連の運営と高校テニス界の発展に尽力してくださった、北摂三田高校の高塚一郎先生(副委員長)、伊丹北高校の松井千寿子先生(理事)が本年度をもって役員を退かれます。
また、県高体連委員長を務めてきた加古川北高校の門田聖五先生は、全国常任委員(近畿地区委員長)となり別の立場から県高体連を支えていただくこととなりました。長年本当にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
最後になりますが、部活動は一生の思い出を築くことができるとともに、生徒たちの人間形成の場になると私は強く信じている。
そのような役割を持つ部活動が、来年度こそ「当たり前」に活動できることを切に願う。早く数年前のように高校生のみなさんがチームメイトや保護者の応援のもと、元気にプレーしている姿を見られることを祈念して、この回顧録を終わりとする。
令和2年度女子回顧録 伊丹西高等学校 菅原 潤哉[回顧録-女子]
2022年01月26日
2020年度は兵庫県の高校生のテニス界も新型コロナウイルスに振り回された1年であった。3月に学校活動が停止され、予定されていたジュニア大会や市内大会が中止となった。4月には緊急事態宣言が発令され、3年生の引退試合となる高校総体も団体戦、個人戦ともに中止となった。6月に学校活動が再開された後、県内各地区で代替大会が行われたが、やはり3年生部員としては不完全燃焼の引退であったことは否めない。また、滋賀県で開催予定であったインターハイも中止となった。昨年度よりインターハイ支援を兵庫県高体連テニス部としてもTシャツの購入などで行い、私自身は滋賀県まで実際に運営補助に行く予定であったため、これも残念でたまらなかった。
7月以降、少しずつ大会の開催が認められ、8月上旬には新人戦個人戦予選が各校テニスコートで開催された。しかし、予選会場での選手の行動はこれまでとは一変した。検温表の提出、無観客、セルフジャッジ、試合中以外のマスクの着用、こまめなアルコール消毒、試合後の握手なし・・・。予選会場の運営にあたられた先生方の気苦労には頭が下がる思いであった。この新しい光景は、8月19日から赤穂海浜公園テニスコートで開催された新人戦個人戦本戦でも同様であった。例年と変わらないのは気温だけで、選手と顧問のみが会場への立ち入りが許され、マスクを着用して試合を見学する姿、審判や応援の声がない静かな会場は、余計に暑さを際立たせた。そのような異例の光景の中でも相変わらずの強さを発揮したのは相生学院であったが、園田学園や雲雀丘学園の選手の健闘も光った。シングルスのベスト8のうち6人を相生学院の選手が占め、優勝は相生学院の武本選手、準優勝も相生学院の石川選手であった。ダブルスのベスト4はすべて相生学院のペアが占め、武本選手・石川選手のペアが優勝した。
10月初旬に各校で開催された新人戦団体戦も、間隔を空けての集合、試合前の円陣の禁止、声を出しての応援の禁止等、これまでとは違う寂しさを感じる試合となった。8校の本戦出場校のうち、加古川北、葺合、加古川南、明石城西と公立高校が4校を占めたのは、公立高校の顧問としてはうれしい限りであった。決勝リーグ戦では相生学院が危なげなく優勝を飾ったが、雲雀丘学園、園田学園、加古川南の3校の対戦はいずれも3-2で勝敗がつく熱戦であり、園田学園が準優勝となった。11月に開催された近畿大会でも相生学院は優勝し、園田学園は8位となった。
11月下旬には兵庫県公立団体戦も実施され、女子も4校の代表校が決定した。ようやくテニスの大会も例年に戻ったと感じたが、12月後半になると新型コロナウイルスの感染が再び拡大した。なんとか兵庫県内の公立個人戦を開催し、その代表を決めた頃、教育委員会からの指示で県外での大会が禁止され、団体戦で代表となっていた4校は近畿大会に参加することが出来なくなった。必死で手に入れた近畿大会への出場権を奪われた選手たちの無念さはいかほどだっただろうか。
また、この原稿を書き始めていた12月上旬、長年にわたり兵庫県高体連テニス部の活動にご尽力くださった安達泰二先生が突然ご逝去なされた。約20年前、非常勤講師であった私をテニスコートに招いてくださり、私がテニス部と関わるきっかけを作ってくださった。ご多忙の中、毎日テニスコートに足を運び、優しくも真摯に選手に向き合う姿は、その後のテニス部顧問としての私に大きな影響を与えてくれた。テニス部顧問としての第一線を退かれた後も本戦会場に足を運んでくださり、いつも優しい声をかけてくださったことが忘れられない。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
12月も半ばを過ぎると本格的な冬が訪れ、伊丹西高校のテニスコートの朝の気温は0℃に近い。(ちなみに、今年の夏の最高気温は日陰で42℃であった。)鈍色の空の下、生徒たちと朝練を行い、冷たい手をこすりながら毎日考えている。この頑張っている生徒たちが、このままテニスを続け、諸大会に出場し、総体団体戦、個人戦で完全燃焼して引退してくれることを。当たり前だった風景が当たり前でなくなった今、切にそのことを願っている。それはどの学校の顧問の先生方もきっと同じであろう。
1月14日に再び兵庫県に緊急事態宣言が発令された。1月に予定していた阪神の諸大会も延期を余儀なくされ、テニス部の活動にも様々な制約が課された。いつまで続くか分からないコロナ禍の中、練習試合さえ許されない選手たちのモチベーションを保つのは容易ではないが、何とか工夫を凝らして練習を続けているのはテニス部に限らず、どの部活動もそうであろう。閉塞感の漂うこの冬を乗り切り、自由な活動が許された際には、思う存分練習と試合を行い、仲間と笑顔で引退を惜しむ、暖かで開放的な春を待ちわびている。
平成30年度女子回顧録 須磨友が丘高等学校 教諭 三浦 裕子[回顧録-女子]
2019年03月25日
2018年度は近畿高等学校選抜テニス大会団体戦における相生学院の男女ペア優勝から始まり、兵庫勢の躍進はとどまることを知りませんでした。第75回全国高等学校対抗テニス大会および第108回全国高等学校テニス選手権大会(東海インターハイ・テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/霞ヶ浦テニスコート、四日市ドーム、三滝テニスコート)では、女子決勝で相生学院(兵庫)が仁愛女子(福井)を2勝0敗で破り3年ぶり2度目の日本一に耀きました。同校は昨年度の男子団体戦における春夏連覇に続き、女子による春夏連覇という快挙を成し遂げました。また、第41回 全国選抜高校テニス大会 近畿地区大会(11月17~18日/奈良県高市郡・奈良県立橿原公苑明日香庭球場/砂入り人工芝コート)において男女ともに優勝を果たしました。
県内においては平成30年度兵庫県高等学校春季テニス大会の男子団体で相生学院高校、甲南高校、西宮甲英高等学院、神大中等学校がベスト4に勝ち進み、準々決勝戦では関西学院高校のほか、県立須磨東高校、市立西宮高校、県立三木高校など公立高校3校が進出しました。女子団体では相生学院高校、芦屋学園高校、啓明学院高校、園田学園高校がベスト4に進出しました。準々決勝戦には武庫川大付属高校のほか、県立加古川北高校、県立明石城西高校、県立加古川南高校の公立高校3校が進出しました。
また、平成30年度兵庫県高等学校対抗テニス新人大会において、男子団体ベスト4に相生学院高校、甲南高校、関西学院高校、須磨学園高校が進出し、ベスト8に県立三木高校、県立須磨東高校、神戸野田高校、灘高校が進出しました。女子団体ベスト4に相生学院高校、啓明学院高校、県立加古川北高校、市立葺合高校の4校が進出し、ベスト8に園田学園高校、芦屋学園高校、県立加古川南高校、県立伊丹北高校の4校が進出しました。そして、前述の通り全国選抜高校テニス大会近畿地区大会(滋賀県長浜市・長浜バイオ大学ドーム/6月15~17日/砂入り人工芝コート)で相生学院高校が男女ともに優勝、男子団体では甲南高校が3位、女子団体では啓明学院高校が8位入賞を果たしました。これらの輝かしい功績は、日々の教育活動を通じて選手たちにあきらめない心と粘り強く戦い抜く力を育んでこられた先生方のご尽力の結果です。
さて、2018年度には兵庫を揺るがした出来事が二つありました。一つ目は大きな災害に幾度も見舞われたことです。西日本を中心に北海道や中部地方など全国的に広い範囲で記録された台風7号および梅雨前線の影響による集中豪雨は、気象庁により平成30年度7月豪雨と命名されました。兵庫県下の高等学校でも体育館の屋根が吹き飛んだり、校舎の至る所が水浸しになったりと授業に大きな支障が出ました。また、グラウンドやコートのあらゆる部分が損壊し、復旧に大変な時間がかかるなど部活動にも影響が出ました。さらに10月には台風25号が近畿地方に接近し、新人団体戦予選に向けて準備していた試合会場の多くが順延を余儀なくされました。稀に見る被害をもたらした災害でしたが、生徒たちは力を合わせて学校の復旧に努めたり、助けが必要な近隣の被災現場へボランティアに出向いたりと、部活動を含むこれまでの教育活動を通して身に付けた力を多様な場面で発揮したとともに、日頃からの備えや命の大切さ、人と協働することの大切さに改めて向き合うきっかけを得ることができました。
二つ目は、国の部活動改革が大きく進められたことです。2016年にブラック部活という言葉が拡散し始めてから約2年が経過しますが、この問題に対する世間の関心は依然高いままです。2018年3月にスポーツ庁から「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(以下、ガイドライン)が発表されたことを受け、兵庫県では望ましい運動部活動の在り方に関する方針を示す「いきいき運動部活動」が改訂されました。ガイドラインにおいては、週当たりの活動時間が16 時間を超えないことや、週に2日以上の休養日を設定すること、生徒の強制参加を抑制することが明記され、世間の注目を集めました。この他、望ましい指導として競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入や適切な休養、さらには短時間の練習における効果が求められるとともに、 ①説明(言葉で教示) ②手本(動きを観察させてイメージ化) ③試行(繰り返して練習) ④評価(「もう少しこうすればさらに良くなる」(肯定的評価))を通して生徒の自主性・個性を尊重しながら、対話を重視した指導を行うことが奨励されています。一方、問題がある指導として「『負けたのは気合いが足りないからだ』と、高温多湿の体育館で、試合後すぐ、水を飲ませずコートの周りを50 周ランニングさせる」といった具体的なケースなども記されています。大部分の学校については、生徒の望ましい成長を促す教育的配慮がなされた部活動指導が行われており、この改革による大きな影響はなかったかもしれません。それでも、改めて部活動がどうあるべきかを問い直すという点において大きな出来事であったように思います。
社会が急激に変化する中で、学校現場はこれまで当たり前だと捉えてきたものを改めて見直し、時代に合わせた新しい形を模索しているところです。私たち教員の使命は、古くから大切にされてきたことを次世代につなぎつつ、現在には現在の、そして未来には未来の、教育のあるべき姿を実現していくことだと考えます。私たちの多くが確信しているように、教育において部活動が担う役割は一言では表せないほど大きく貴重です。生徒の心と体の成長を支えるという本質的な部活動の意義を大切にしながら、生徒一人ひとりの人生におけるキャリア実現に大きな力を与える部活動の在り方について今後も考えていきたいと思います。
平成28年度女子回顧録 兵庫県立豊岡高等学校 山村 雄太[回顧録-女子]
2017年04月17日
〈はじめに〉
昨年度,女子選手で最も注目すべきはWTA最優秀新人賞に選らばれた大坂なおみ選手だろう。日本人勢で初の快挙である。大坂選手は女子選手でありながら,男子選手顔負けのサービスを武器に世界で戦っている。テニス王国「兵庫県」の高校生諸君が世界で活躍できることを祈って、昨年度の総体と新人戦の結果と概況を振り返りたいと思う。
〈兵庫県高等学校総合体育大会〉
(団体戦)参加校は91チーム
ベスト8には相生学院、啓明、西宮甲英、雲雀丘、芦屋学園、夙川、加古川北、園田が入った。準々決勝では、相生学院3-0啓明、西宮甲英2-1雲雀丘、芦屋学園2-1夙川、加古川北0-3園田という結果で相生学院、西宮甲英、芦屋学園、園田が準決勝に駒を進めた。 準決勝では、相生学院2-1西宮甲英、芦屋学園2-0園田という結果となり、相生学院と芦屋学園が決勝へ勝ち上がった。 決勝ダブルスでは、相生学院の相川・宮田が6-2、6-3で2セット連取し芦屋学園の木嶋・宮崎に勝利、シングルス1では芦屋学園の末野が6-4、6-1で相生学院の堺を破った。シングルス2では芦屋学園の浦上が4-6、7-6(5)、6-3の接戦の末、相生学院の中島に勝利した。結果、芦屋学園2-1相生学院となり、芦屋学園が優勝を勝ち取った。
(個人)
シングルスではベスト8に相生学院4名、芦屋学園2名、雲雀丘1名、親和女子1名が入った。さらに伊藤(雲雀丘)、田中(相生学院)、一瀬(親和女子)、末野(芦屋学園)がベスト4に進んだ。準決勝では、伊藤(雲雀丘)1-6、6(3)―7田中(相生学院)、一瀬(親和女子)3-6、0-6末野(芦屋学園)という結果で田中、末野が決勝へ勝ち上がった。決勝では6-1、6-3で末野(芦屋学園)が田中(相生学院)を破りインターハイへの切符を手に入れた。 ダブルスではベスト8に相生学院4組、園田2組、芦屋学園1組、西宮甲英1組が入った。さらに田崎・堺(相生学院)、人見・田中(相生学院)、相川・宮田(相生学院)、浦上・末野(芦屋学園)がベスト4に進んだ。準決勝では、田崎・堺(相生学院)6-1、2-6、6-3人見・田中(相生学院)、相川・宮田(相生学院)6-4、3-6、2-6浦上・末野(芦屋学園)という結果で田崎・堺、浦上・末野が決勝へ勝ち上がった。決勝では6-3、6-2で浦上・末野(芦屋学園)が田崎・堺(相生学院)を破りインターハイへの切符を手に入れた。
インターハイではシングルスで末野がベスト4、さらにダブルスで浦上・末野がベスト4進出と健闘し、兵庫の強さを全国に示した。
〈兵庫県高等学校テニス新人大会〉
(団体)参加校は82チームで総体より9チーム減。
ベスト8には芦屋学園、武庫川大附、加古川北、啓明、園田、雲雀丘、加古川南、相生学院が入った。準々決勝では芦屋学園4-1武庫川大附、加古川北1-4啓明、園田4-1雲雀丘、加古川南0-5相生学院という結果で、芦屋学園、啓明、園田、相生学院がベスト4に進出した。以上4校による8ゲームプロセット5ポイントのリーグ戦を行い、1位:相生学院(3勝0敗)、2位:啓明(1勝2敗)、3位:園田(1勝2敗)、4位:芦屋学園(1勝2敗)という結果になり、相生学院がその実力を発揮し圧勝した。
(個人)
シングルスではベスト8には相生学院5名、西宮甲英1名、園田1名、親和女子1名が入った。さらに久田(相生学院)、伊藤(相生学院)、一瀬(親和女子)、守口(西宮甲英)がベスト4に進んだ。準決勝では、久田(相生学院)2-8伊藤(相生学院)、一瀬(親和女子)8-1守口(西宮甲英)という結果で伊藤、、一瀬が決勝へ勝ち進んだ。決勝戦は両者とも実力を発揮しての攻防が続いたが、結果8-5で伊藤は一瀬に勝利し、優勝を勝ち取った。
ダブルスにおいても相生学院4組、西宮甲英1組、芦屋学園1組、園田1組がベスト8に入った。ベスト4には末野・木嶋(芦屋学園)、人見・田中(相生学院)、伊藤・中島(相生学院)、古賀・久田(相生学院)が進んだ。準決勝では末野・木嶋(芦屋学園)が途中棄権となり涙を飲む結果となり人見・田中(相生学院)が、伊藤・中島(相生学院)8-3古賀・久田(相生学院)で伊藤・中島が決勝への切符を勝ち取り、決勝は同校同士の戦いとなった。決勝の結果は伊藤・中島(相生学院)が人見・田中(相生学院)を圧倒し、8-2で優勝をもぎ取った。伊藤の3冠はもちろんのこと、全ての選手の健闘に賞賛を送りたい。
〈おわりに〉
今年度、但馬支部長に就任させて頂いた。まだ1年という短い期間ではあるが主に但馬支部での現状等、気づいたことをここに述べたい。
兵庫県がテニス大国と呼ばれることは間違いないが、正直なところ但馬支部には(特に選手においては)その意識は希薄である。さらに,少子化の影響を大きく受け、年々エントリー数も減少しており、部活動の維持すらままならない状況がでてきている。その反面、錦織圭選手や大坂なおみ選手などの活躍に依ってか但馬支部の生徒にもテニスに対する意識も向上してきており、選手も以前に比べ本戦出場への闘志を燃やしているようにも感じる。今後さらに但馬支部の活動を盛り上げるため、選手及び指導者一丸となって力を入れていく所存である。
トップ選手は技術だけでなく、人間性もトップレベルである。一生懸命テニスに打ちこんでいる兵庫県の高校生も、トップ選手のように技術だけでなく、人間的、精神的成長を果たしてくれることを期待して平成28年度の回顧録を締めさせて頂く。
平成26年度女子回顧録 夙川学院高等校 藪中伸也[回顧録-女子]
2015年04月02日
物事に対して一心不乱に打ち込めばそこから感動や物語が生まれることがある。高校生の大会も同様である。大会全体を見ていれば感動や物語、雰囲気などを伝えることができたがいつも試合会場ではほとんど部員の試合しか見ないため、上手く伝えられないことをご了承いただきたい。
「兵庫県高等学校総合体育大会」
(団体)
園田、啓明、芦屋学園、加古川北、夙川、雲雀丘、加古川南、相生学院がベスト8に入った。準々決勝は園田3-0啓明、芦屋学園3-0加古川北、夙川3-0雲雀丘、相生学院3-0加古川南となった。準決勝は園田が芦屋学園に2-0、相生学院が夙川に2-0で勝ち、決勝に進んだ。決勝は園田対相生学院となった。ダブルスは園田の釜江・伊藤が2-6、7-5、6-3で相生学院の藤原・池内に勝ち、シングルス1は園田の上が6-4、6-3で相生学院の橘に勝ち、シングルス2は相生学院の栗本が6-3、4-6、6-4で園田の中谷に勝った。結果、園田2-1相生学院となり、団体戦の戦い方を知り尽くしている園田が接戦をものにして優勝を果たした。園田はインターハイでも力を存分に発揮してベスト4に入り、兵庫県代表として強さを全国に示してくれた。
(個人)
シングルスはベスト8に相生学院4人、園田2人、西宮甲英1人、芦屋学園1人が勝ちあがり、上(園田)、浦上(芦屋学園)、橘(相生学院)、東(西宮甲英)がベスト4に駒を進めた。準決勝は上(園田)6-4、6-2浦上(芦屋学園)、橘(相生学院)6-4、6-1東(西宮甲英)となった。決勝は団体決勝と同じ対戦になり、橘(相生学院)が上(園田)を6-3、6-4で破り、団体の雪辱を果たした。
ダブルスではベスト4に中谷・上(園田)、浦上・辻川(芦屋学園)、上田・堺(相生学院)、橘・栗本(相生学院)が勝ちあがった。準決勝は中谷・上(園田)6-2、6-1浦上・辻川(芦屋学園)、橘・栗本(相生学院)6-2、6-0上田・堺(相生学院)となった。決勝は橘・栗本(相生学院)が中谷・上(園田)を6-4、7-6(1)で破り、優勝した。3位戦決定では上田・堺(相生学院)が浦上・辻川(芦屋学園)を破り、3位となりインターハイの切符を手に入れた。
インターハイでは上・中谷(園田学園)、橘・栗本(相生学院)の2組がベスト4、上田・堺(相生学院)がベスト8という好結果を残し、兵庫県の層の厚さを全国に見せつけた。
「兵庫県高等学校テニス新人大会」
(個人)
シングルスはベスト8に相生学院6人、夙川1人、芦屋学園1人が勝ちあがり、藤原(相生学院)、浦上(芦屋学園)、池内(相生学院)、堺(相生学院)がベスト4に駒を進めた。
準決勝は浦上(芦屋学園)8-4藤原(相生学院)、池内(相生学院)8-4堺(相生学院)となった。決勝は接戦となったが池内(相生学院)が浦上(芦屋学園)を9-8(4)で破り、優勝した。
ダブルスではベスト4に相生学院2組、夙川1組、園田1組が勝ちあがった。準決勝は上田・堺(相生学院)8-6山中・田中(夙川)、池内・藤原(相生学院)8-4伊藤・中谷(園田)となった。決勝は相生学院対決となり、上田・堺が池内・藤原を8-3で破り、優勝した。
(団体)
昨年、園田が全国選抜大会で優勝を果たした。ノーシードから勝ちあがっての優勝は園田の強さを改めて感じさせられた。今年の団体戦では相生学院、三田、夙川、加古川南、園田、加古川北、啓明、雲雀丘がベスト8に入った。準々決勝では相生学院5-0三田、夙川5-0加古川南、園田4-1加古川北、雲雀丘3-2啓明となった。準決勝に進んだ学校による決勝リーグ戦は相生学院が実力を発揮して優勝を飾った。2位以下が近年稀に見る混戦となり、夙川が2位に入った。夙川、園田、雲雀丘の3校での対戦はいずれも3-2の結果であった。3校ともが2位に入れるチャンスがあり、どの試合も見応えのある試合であった。
個人的な感想になって申し訳ないが、私が監督になって初めて園田に勝つことができた大会となった。日頃から常に園田を意識していたのでやっと勝つことができたというほっとした気持ちが一番にあった。
過去を振り返ってみれば全国大会の決勝の舞台で兵庫県同士の対決があるほどレベルが高く、層が厚かったため全国から一目を置かれる存在であった。再び全国大会の決勝の舞台で兵庫県同士の対決を実現できるように出場校は兵庫県を背負って全国大会で活躍することを期待したい。
昨年、最もテニス界を盛り上げた一人といっても過言ではない錦織圭選手の話を紹介します。錦織選手は普段でも決して驕る態度を取らず、とても紳士的であるそうです。初めて会った人や関わっている人は錦織選手を純粋に応援したくなる人だと言っていました。どの世界でも一流といわれる人達は技術で一流だけでなく、人間性も一流であることは共通するものです。ひたむきにテニスに打ち込んでいる高校生たちも技術だけを追い求めるのでなく、人間性でも一流になってもらいたいと願って平成26年度の回顧録とします。
平成25年度女子回顧録 宝塚西高等学校 松井千寿子[回顧録-女子]
2014年03月10日
9月7日(日本時間8日)ブエノスアイレスでは、2020年のオリンピック・パラリンピックは、東京で開催されることが決定し、国民が歓喜した。夏季大会は56年ぶりである。日常でも、暗いニュースの後にスポーツの話題があればたいてい明るくなるように、これは閉塞感のある今の日本を明るく照らしてくれた一報であった。
さて、この機会にテニス競技におけるオリンピック実施について調べてみると、第1回アテネ大会から実施されていたものの、様々な事情で一時除外され、やっと1988年のソウル大会からトーナメントとして復活している。そしてテニス4大大会のキャリア・グランドスラム(キャリアを通じて達する)とオリンピックの金メダルを合わせる獲得することをゴールデンスラムと呼び、何人かがそれを達成している。世界にはすごい選手がいるものだ。私は前回の1964年東京大会のみならず、オリンピックという大会は、動画や写真でしか目にしたことがない。この東京大会に是非、実際の競技を、できうるならばテニス競技も自分の目で生で観戦したいものだ。
さて、我が高体連テニス競技は、今年も様々な白熱した試合が繰り広げられた。今年度最初の団体戦は、3年生最後の闘いとあって、気合いの入った試合であった。まずベスト8に進出したのは、第8シードまでの6校である。第5シードを破った加古川北を葺合が破る。また第6シードの加古川南を啓明学院が接戦の末2-1で破り、8校が顔を揃えた。
次に4強を決めるのだが、第4シードまでは強く、園田学園、相生学院、芦屋学園、夙川学院との戦いとなった。準決勝は、園田学園対夙川学院とのダブルスが60、60、シングルス2も62、62のストレートで、園田学園が勝利をおさめた。芦屋学園と相生学院との試合はダブルスが63、63で勝ったが、シングルスはいずれも、フルセットを行ったが、岸上歌華が勝ち、相生学院が決勝に進む。
決勝では、相生学院の観音堂万友・橘彩音組がセットカウント2-0で簡単に勝負が決まる。シングルス2の西口真央(園田学園)が森歩実(相生学院)に1セットオールと必死に食らいつき健闘するが、第3セットは46と惜しくも負け、シングル1は打ち切りとなり、相生学院の優勝が決定し、インターハイ出場を決定した。
次に個人戦であるが、シングルスは少々波乱の兆しから始まった。第1シード園田学園の上唯希は、4回戦芦屋学園の漁美汐に競られて、68と早くも敗退してしまう。勢いに乗る漁に対して、ノーシードから勝ち上がってきた相生学院の栗本麻菜が8-2で勝つ。さらに勢いに乗る栗本は、準決勝でもストレートで相生学院の岸上歌華を破る。片側の第2・3シードは、何度も戦っている組み合わせであろうこちらも同校対決の観音堂万友と藤本玲穂は長い試合の末、セットカウント2-1で藤本が勝ち、決勝戦も相生学院同士の戦いとなるが、決勝戦はセットカウント2-0のストレートで、藤本玲穂が優勝を決めた。
ダブルスは、第1シードの園田学園の西口・上組が準決勝まで危なげなく進む。またもう一方のサイドの準決勝は、相生学院の同士討ちで、ここでもシングルスで勢いに乗っている栗本・橘組が観音堂・藤本組をセットカウント2-1で破り、決勝進出した。シングルスを全て相生学院に破られた園田学園は、ここは意地の見せ所である。白熱する決勝戦となったが、プレッシャーの中、西口・上組は見事に戦い、チームメイトの願いを果たして優勝した。
県内では無敵の軍団に成長した相生学院は、全国大会ではどこまで勝ち進めるか、期待された。今年のインターハイは福岡県博多の森を中心に開催された。猛暑の中、2回戦神奈川県の横浜清風が初戦となったが、ダブルスは81、シングルス1が86の結果で初戦を突破した。次に数々の名勝負を生んでいる宮崎県代表の宮崎商業との戦いでも、危なげなくセットカウント2-0で勝利し、準々決勝へと駒を進めた。次の相手は東京代表の早稲田実業である。観音堂・橘のダブルスは、楽に63、63で勝利する。しかし、シングルス1の藤本は、早稲田の辻に対して苦戦を強いられた。1セットオールになったが、最終セットでは62で破られる。シングルス2に出場した森は、57と1セットは競ったものの、第2セットは62と負け、ここで団体戦はベスト8という結果で終了した。
今年の夏も猛暑で、比較的雨も少なく、日差しが肌を刺して痛く、アンダーウエアーが手放せない日々が続いた。どこの学校も熱中症対策に苦慮した。中でも8月5日からの新人大会では、帽子の着用を促し、選手の健康管理が課題の戦いとなった。個人戦の予選が始まり、3年生が引退したあとの成長が試される大会となり、勝ち上がった本戦出場者は、19日に残暑が厳しい赤穂海浜公園テニスコートに集まった。96ドローとなって、以前より沢山本戦の雰囲気を味わえるようになったこの大会では、公立高校の選手も38人と数多く出場が果たせた。ベスト8には、上(園田学園)、西尾(明石城西)、東(西宮甲英)、と相生学院の藤原・池内・橘・岸上・栗本5人が進出した。そして、相生は1年生対決の藤原対池内となり、結果藤原が勝利、2年生対決の橘対岸上は岸上が勝ち上がった。ここで負けられない上(園田)は、西尾(城西)に61、藤原に対し、84と危なげなく決勝へ進む。更に岸上は、栗本を75で下した東(甲英)を86で破り、決勝へ進んだ。 決勝は、上が体力消耗のため棄権し、岸上が優勝して今大会は幕を閉じた。
さて、暑さががやっと和らいだ10月5日、新人大会の団体戦予選が始まった。芦屋学園以外のシード校は順当に勝ち上がり、ベスト16が決定した。そして、更にベスト8には相生学院・園田学園・夙川学院・加古川南の4シードと加古川北・啓明学院・雲雀丘と仁川学院を破った甲南女子の4校が本戦出場となった。本戦の準々決勝は、相生・園田・夙川は圧勝した。また同じ地域対決の加古川北と加古川南は、ダブルスがそれぞれ1-1、シングルス1・2も1-1となったが、シングルス3が80と勝ち、加古川北が南を下しベスト4入りを果たした。ここから4校による決勝リーグ戦となる。総体で負けている園田学園は夙川と加古川北の対して5-0と圧勝、残る相生学院にダブルス2つシングルス2つを取り、4-1で全勝となり、春の雪辱を果たし優勝を勝ち取る。準優勝は2勝1敗の相生学院。残る2校対決は、ダブルス・シングルスとも互いに1勝1敗でシングルス3に勝敗はかかった。夙川学院の田中依里奈が加古川北の山内香奈恵に86の接戦の末、3位を夙川学院が死守した。しかし、この新人大会での加古川北の成長ぶりは、目を見張るものがあった。チーム率いる門田監督は過去にも、新人大会団体戦で県で優勝し、全国大会に出場を果たしている。「井の中の蛙」になってはいけないと努力を重ね、実力をつけている公立高校のチームがある。次の春はどのように総体に挑んで来るのであろうか、楽しみである。
私事であるが、今年初めて自チーム宝塚西が近畿公立高等学校大会に出場することができた。秋まで1人も本戦出場を果たせていない2年生中心の奇妙?なチームだが、ただチャレンジする気持ちだけは忘れずにやってきた。県の予選では、勝つ・負けるに関わらず長い試合時間で進行を妨げ、ずいぶんご迷惑をおかけした。そんなチームが上位の大会に出場できたが、そこでは目に見えた成果はほとんどなかった。しかし、そこで実際に試合を経験できたことは、生徒や自分にとってとても大きかった。「井の中の蛙」になってはいけないという言葉が深く胸を突き刺し、客観的に自らを見つめる力を養うために、ここからもっともっと努力が必要であると痛感した。
さて、6年後は、東京で生のオリンピックが体感できるチャンスである。テニス競技でも、日本は現在のエース錦織圭選手をはじめ、若い選手が世界を目指し、これからどんどん力をつけてくることだろう。今後ここ兵庫県からも日本代表となり、世界大会やオリンピックで戦ってくれることを願っている。しかし、世界大会や全国大会には行けなくとも、気持ちは同じく戦いにチャレンジして、毎日一生懸命練習している生徒たちが沢山存在している。そんな生徒たちのために、来年度も微力ながら自分にできることは協力していくことを決意して、今年の回顧を終了するものである。
平成22年度女子回顧録 兵庫県立伊丹高等学校 菅原潤哉[回顧録-女子]
2011年09月21日
灼熱の沖縄で開催された平成22年度インターハイは、ちょうど100回目の記念大会であった。第1回大会は1908年に「全国中学校庭球選手権大会」として大阪府堺市で開催された。戦争で2回中断されたため、平成22年の今年でちょうど100回目である。この歴史の重みと節目の大会が大戦の影響を長く受け続けている沖縄で開催されたことに、社会科教員である私は格別の思いをもった。残念ながら、私は沖縄インターハイを観戦する機会がなかったため、以下のインターハイおよび県大会以上の諸大会に関する記述は後に得た情報を集約したものである。また、県内外でこの1年間に開催されたすべての大会の記録を紹介することは紙面の制約上および私の文章力のなさのため不可能であることをお許しいただきたい。
私はここ数年、諸大会の県大会の進行・記録係を担当させていただいている。特に進行係は、インターハイや選抜大会への出場を決める大切な試合のコート割りや試合開始時間を決定する仕事であり、オーダーオブプレイに対戦表を貼り付けていくたびにひそかに私は緊張をしている。そして、試合の勝者からスコアを聞き、次の対戦をアナウンスする。仕事の合間に本部近くのコートの試合を観戦することが楽しみの一つであるが、進行係というのは兵庫県の代表選手を県大会からその上の大会に送り出す仕事であると感じている。そのため、私はここ数年兵庫県代表選手の県外での活躍を格別に願うようになった。
4月下旬に県内各校で予選、5月下旬に総合運動公園テニスコートで県大会が開催された平成22年度兵庫県高等学校春季テニス選手権大会団体戦では園田学園、夙川学院、明石城西、加古川南がベスト4に進出した。決勝では園田学園が夙川学院を3-0で破り優勝し、インターハイへの出場を決めた。また、個人戦は5月のGW中に予選が各校テニスコートで行われ、勝ち上がった選手たちが6月初旬に神戸総合運動公園で行われた県大会に出場した。白熱した戦いの結果、優勝した田中選手(園田)、準優勝の野井選手(駿台甲英)の他、山本選手(園田)、真田選手(園田)、二宮選手(駿台甲英)がインターハイシングルスの兵庫県代表選手となった。また、ダブルスでは優勝した山本・村上組(園田)、準優勝の斎藤・池田組(園田)がインターハイへの切符をつかんだ。余談ながら、県立伊丹の選手が数年ぶりに予選を勝ち上がり、GW後も引退せず県大会に向けて選手として活動を続けられたことが公立高校のテニス部顧問としては本当に嬉しかった。
8月に沖縄を舞台に開催されたインターハイでは、団体戦では園田学園はスコア的には苦戦する試合もありながら着実に勝ち上がり、準決勝では第一シード校の仁愛女子(福井)を2-1で打ち破り、決勝では富士見丘(東京)に0-2(打ち切り)と敗れたが、全国準優勝を果たした。また、個人戦では、兵庫県勢はシングルスでは山本選手(園田)と田中選手(園田)がともにベスト8まで勝ち上がった。ダブルスでは山本・村上組(園田)が各校の強豪ペアに勝ち進み、決勝戦では第1シードの江口・伊藤組(富士見丘)を破り見事に全国優勝を果たした。兵庫県大会で彼女らの試合を何度も観戦し、時には苦境に立たされながらも二人の息の合ったプレーで劣勢を挽回して勝ち上がる姿を見てきた私としては、彼女らの全国優勝を心から誇らしく感じた。
その一方で、多くの学校のテニス部では3年生が5月上旬に引退し、1,2年生が新チームの中心となり、新しい一年間が始まっていた。各チームが特色ある練習に日々取り組み、過去最高の平均気温を記録し熱中症が流行した夏も、各校選手・顧問たちは合宿や地域ごとの大会に取り組んだ。阪神地区では、これまではリーグ別に各校テニスコートで行われていた阪神リーグ戦を、浜甲子園・伊丹総合グランドという2会場で男女とも一緒に開催した。1部リーグから5部リーグがある阪神リーグ戦では、チームの勝利を願う仲間の応援を背に受けた選手が一日に3~4試合を汗だくになって戦い、各リーグとも熱戦が繰り広げられた。女子1部リーグ戦には園田学園・雲雀丘学園といった強豪私学高校も顔をそろえ、また上部リーグの最下位チームと下部リーグの優勝チームとの間では8月末に入替戦も行われ、名実ともに熱い夏となった。
平成22年度兵庫県高等学校新人テニス大会個人戦は、8月上旬に県内各校で予選、8月中旬に赤穂海浜公園テニスコートで県大会が開催された。シングルスではベスト4に夙川学院の選手が3名入り、炎天下の大会を制したのは大東選手(夙川)であった。またダブルスでは、大東・高見組(夙川)が優勝し、大東選手は単複の制覇となった。
10月に開催された新人戦団体戦では、公立高校である市立伊丹がベスト8に食い込む健闘を見せた。園田学園、夙川学院、明石城西、雲雀丘がベスト4に入り、決勝リーグ戦を園田学園が3戦全勝で制して優勝した。園田学園は準優勝となった夙川学院とともに春季の全国選抜大会につながる近畿選抜大会にコマを進めた。11月下旬に行われた近畿選抜大会では園田学園が準優勝、夙川学院が第3位となり春季の全国選抜高等学校テニス大会への出場が決定した。
阪神地区では、公式戦では県大会上位には残れなかった公立高校選手にとっても重要な大会が秋には目白押しである。10月末には近畿公立大会への出場をかけた阪神予選が浜甲子園会場などで行われ、女子は阪神地区からは新人戦団体戦で県ベスト8に進出した市立伊丹と阪神予選を制した宝塚西が県大会に出場した。市立伊丹は11月に行われた県大会でも躍進し、見事に1月に近畿大会への出場を決めた。日頃、練習試合や阪神地区の大会でともに切磋琢磨しているチームが近畿大会という大舞台に出場することは本当に嬉しく感じている。また、11月には各チームシングルス4本・ダブルス3本で争う東阪神リーグ戦が開催され、先輩たちの世代から引き継いだリーグの維持・昇格を目指した選手たちの寒さを感じさせない熱戦が繰り広げられた。また東西阪神の個人戦トーナメントの上位入賞者は、12月下旬に開催される東西阪神対抗戦の代表選手となった。
県伊丹女子テニス部では冬の厳寒期でも部員は毎朝練習をしている。手がかじかみラケットが満足に握れない日も、コート一面に霜柱が立っていても毎朝である。ウィンタージュニア選手権や、阪神地区のユニークな大会である親潮・黒潮トーナメントに参加するためである。高校生になって初めて硬式テニスのラケットを握った公立高校の選手は、現実としてインターハイには出場できないかもしれないが、阪神間の各校顧問の協力で成り立っている様々なレベルの大会で活躍できる。
最後に、高体連事務局の仕事を手伝っている立場として回顧させていただくと、選手の登録や各大会へのエントリーがネットシステム化されて今年で2年目である。情報の周知徹底が出来ていない部分やトラブルも多々あるが、おおむねネットシステムの活用も順調になってきたと感じている。もちろん、その裏にはある先生の文字通り血のにじむような昼夜を問わない尽力とここには記せないご苦労があっての成功であることを忘れてはならないだろう。
平成21年度女子回顧録 龍野高等学校 三木教郎[回顧録-女子]
2011年06月27日
「ワーッショイ、ワーッショイ。」
新人大会団体戦予選、ベスト8掛けの最後のポイントを決めた時、ベンチで思わずガッツポーズをした。礼をした後、生徒が寄ってきたかと思うと、そのまま担ぎ上げられ、宙を舞った。下ろされた後、生徒に「先生、落ちていました。」と、買い換えたばかりの携帯電話を渡された。ディスプレイにヒビが入っていた。心の中で「あーっ」と叫んだが、抱き合って喜んでいる生徒達を見ていると、すぐにそんなことは忘れて、自分も初のベスト8の喜びに浸った。今年は生徒のおかげで良い思いをたくさんさせてもらった。
しかし、良いこともあればその逆もあり、今、回顧録を書いている。あまり上位の選手の試合を観戦していなかったこともあり、歴代の先生方のような試合の様子が目に浮かぶような文章を書くことができないことをお許し願います。
第31回全国選抜高校テニス大会には、園田と明石城西が出場した。30年連続30回目の出場をはたした園田は、2回戦5-0、3回戦3-0と順調に勝ち上がり、準々決勝で長野の松商学園を3-1で、準決勝で福岡の柳川を3-1で降し、決勝は福井の仁愛女子に3-1で勝ち、5年ぶり11回目の優勝を果たした。2年連続3回目の出場を果たした明石城西は、1回戦5-0、2回戦3-2と勝ち上がり、3回戦で宮崎商業に1-3で敗れたが、見事ベスト16に進出を果たした。
兵庫県高等学校春季テニス大会団体戦では、園田、明石城西、駿台甲英、夙川、仁川、神戸、加古川南、芦屋学園が、予選を勝ち上がり本戦に出場した。準々決勝は園田2-0芦屋学園、夙川2-0仁川、駿台甲英2-0神戸、明石城西2-0加古川南と、上位シードが実力通りにベスト4に進出した。準決勝は園田2-0夙川、駿台甲英2-1明石城西となり、決勝は一昨年から3年連続同じ組み合わせで、駿台甲英と園田との対決となった。D大麻・野井vs大塚・村上が26、06、S1古賀vs真田が63、60、S2山本翔子vs山本みどりが61、64となり、駿台甲英が2年連続2回目の優勝を果たした。春の全国選抜優勝校の園田が県予選で敗退して全国総体に出場することができないという事実に、兵庫県のレベルの高さをあらためて実感した。
個人戦のシングスは、園田23名、夙川11名、明石城西8名、駿台甲英4名、芦屋学園・加古川南3名ら68名が本戦に出場した。ベスト4には古賀・山本・大麻(駿台甲英)、山﨑(園田)が勝ち上がった。決勝は駿台甲英対決となり、古賀が山本を61、63で降して優勝した。全国総体への出場権はベスト4の4人と山本(園田)が獲得した。ダブルスは、園田13組、夙川5組、明石城西4組ら34組が本戦に出場した。ベスト4には山﨑・大塚、田中・真田(園田)、山田・望月(夙川)、亀山・戸高(明石城西)が勝ち上がった。決勝は山﨑・大塚(園田)が山田・望月(夙川)を64、60で降して優勝した。決勝を戦った2組と亀山・戸高(明石城西)が全国総体の出場権を得た。
全国高等学校総合体育大会団体戦では、第1シードの駿台甲英が2回戦を長野の松商学園に3-0、3回戦は三重の四日市商に2-0、準々決勝は岐阜の県岐阜商に2-0、準決勝は福岡の柳川に2-1と順調に勝ち上がった。決勝は福井の仁愛女子で、D大麻・野井が46、62、26、S1古賀が26、36と惜しくも敗れ、準優勝となった。またシングルスでは、古賀(駿台甲英)がベスト4に、ダブルスでは、山﨑・大塚(園田)がベスト8となった。
兵庫県高等学校新人テニス大会の個人戦シングルスでは、園田17名、夙川10名、加古川南8名、明石城西・雲雀丘6名、武庫川大附4名ら80名が本戦に出場した。ベスト4には山本・真田・宇佐美(園田)、野井(駿台甲英)が勝ち上がった。決勝は園田対決となり、山本が真田を64、36、63で降して優勝した。ダブルスでは、園田9組、夙川6組、雲雀丘5組、加古川南4組、明石城西3組ら40組が本戦に出場した。ベスト4は、村上・山本、真田・斎藤、田中・宇佐美、天米・池田の4組で、園田が独占した。決勝は村上・山本が真田・斎藤を61、60と降して優勝した。
団体戦は、園田、夙川、明石城西、加古川南、雲雀丘、武庫川大附、龍野、啓明が、予選を勝ち上がり本戦に出場した。準々決勝は園田5-0龍野、雲雀丘3-2加古川南、明石城西5-0啓明、夙川5-0武庫川大附となった。ベスト4の学校による決勝リーグは、園田が3勝0敗で1位、夙川が2勝1敗で2位、明石城西が1勝2敗で3位、雲雀丘が0勝3敗で4位となった。園田は4年連続26回目の優勝を果たした。
第32回全国選抜高校テニス大会近畿地区大会の決勝は兵庫対決となった。園田が夙川に3-0で勝利し、2年連続優勝を果たした。近畿1位・2位で全国選抜への出場権を得た両校の活躍を期待したい。
第7回近畿公立高等学校テニス大会の兵庫県予選には、兵庫・神戸・市伊丹・伊丹北・加古川南・龍野・洲本・豊岡の8校が各地区を代表して出場した。加古川南が3戦全勝して1位で7回連続出場を決め、龍野が3勝1敗で2位となり初出場を決めた。近畿大会では加古川南が4戦全勝し、4回目の優勝を果たした。龍野は1勝3敗でベスト8となった。
新人の本戦で、園田の圧倒的な実力を前にしても、高校からテニスを始めた龍野の選手は、往生際の悪いプレーを最後まで見せてくれた。公立高校大会で出会った選手達は、コート内は当然、コート外でも実に清々しかった。自分で限界をつくって諦めるのでなく諦めてしまう弱い自分を乗り越える、自分を支えてくれている周りの人々に感謝しつつ自分も周りの人々のために生きることを喜びとする、そうやって、テニスを通じて人間的に成長する、というような話を生徒にはよくしてきた。しかし、自分が言葉で話したことを背中で語っているか、逆に生徒の背中から教えられているのではないか、と思わされた。テニスを通じて生徒の成長を促しながら、生徒の成長する姿から自分も成長させてもらっている。今年は今まで以上に生徒に感謝しつつ、締切ぎりぎりまで原稿を書けない弱い自分を少しずつでも乗り越えようと反省しながら、これからも兵庫県のテニス界の頑張りがテニス以外にも良い影響が及ぶことを期待して、平成21年度の回顧を終わります。
平成20年度女子回顧録 日ノ本学園高等学校 原安志[回顧録-女子]
2011年06月27日
毎年、年末になると日本漢字能力検定協会が全国からの公募によって、その年の「世相を表す漢字」を発表しています。今年は、政治や経済の変化、そして私たちを取り巻く環境や気候などの生活の変化を反映して、「変」という字が選ばれました。兵庫県の女子テニス界においても、今年は大きな変化がみられました。
4月下旬から6月上旬にかけて、県総合体育大会が開催されました。この県総体は、大多数の3年生にとっては最後の大会となるため、生徒にとっても、また私たちにとっても特別な意味をもつ大会だと思います。まず、団体戦についてですが、今年から本戦は準々決勝から行われるようになりました。今年、予選を勝ち上がった学校は、園田学園・明石城西・駿台甲英・夙川学院・加古川南・芦屋大附・雲雀丘・日ノ本学園の8校でした。そして、第1シードの園田学園、第3シードの駿台甲英、第4シードの夙川学院、第7シードの芦屋大附が準決勝に駒を進めました。残念ながら、私は準決勝及び決勝の試合を観戦することができませんでしたので、試合の模様を克明に記すことができません。ただ、決勝戦での園田学園との激戦を勝ち抜き、初優勝を遂げた駿台甲英は、兵庫県女子テニス界に大きな「変」化をもたらしたのではないでしょうか。兵庫県総体団体戦においては、常に園田学園と夙川学院が優勝を分け合ってきました。この2校以外の学校が優勝したのは、昭和54年の武庫川(現、武庫川女大附)まで遡らなければならず、駿
台甲英の優勝は、実に29年ぶりとなるたいへんな快挙だったのです。確かに、駿台甲英は誰がみても「スター軍団」であることは間違いありません。しかし、北京オリンピックにおいて野球の日本代表チームがメダルを獲得できなかったように、単にスター選手を揃えるだけでは、゛勝てる゛ものではありません。個々の選手たちの力量をひとつのチームとしてまとめた監督の阿形先生の手腕がもたらした成果ではなかったかと思います。
次に個人戦ですが、私は1・2回戦の試合しか観戦していないのですが、やはりこの大会は、1年間に行われるさまざまな大会の中でももっともレベルの高さを感じました。シングルス準決勝は、山本翔子選手(駿台甲英)vs広瀬杏奈選手(園田学園)、松島美智留選手(園田学園)vs古賀愛選手(駿台甲英)の対戦となりました。結果は、駿台甲英の山本選手・古賀選手がそれぞれストレートで勝ち上がり、同校対決による決勝戦が行われました。そして、古賀選手が見事ストレートで山本選手を下し、栄冠を手にすることができました。また、ダブルスでは、決勝戦は良永・山崎組(園田学園)vs松島・広瀬組(園田学園)という園田学園同士の対戦となり、接戦の末、松島・広瀬組が第6シードからの優勝を果たしました。
8月に埼玉県で開催された全国総体においては、ダブルスでは松島・広瀬組が準優勝という素晴らしい戦績をあげた他、シングルスでは古賀選手がベスト4、そして、団体戦では駿台甲英が初出場ながらベスト8に入りました。これらの選手、そして指導にあたってこられた先生方の健闘に拍手をおくらせていただきます。
続いて、新人大会について話しを移します。まず、8月に開催された個人戦ですが、県総体がレベルの高い大会であるのに対して、この新人大会は、開催される時期などからもっとも苛酷な条件で行われる試合ではないかと思います。また、大部分の1年生にとっては初めての公式戦でもあることから、私もこれまで本校で予選会場を運営してきてさまざまなハプニングがおこる大会でもあります。本戦は例年通り赤穂海浜公園で行われました。この大会は数年前から西(東西播)地区が運営を担当することになっているため、私も3日間、試合会場に詰めることになりました。この大会でも目を引いたのは、やはり園田学園と駿台甲英の強さです。シングルスのベスト4には山本翔子選手(駿台甲英)・山崎貴巴選手(園田学園)・大塚弥生選手(園田学園)・大麻智尋選手(駿台甲英)の各選手が勝ち上がりました。そして、決勝はまたしても駿台甲英同士の対戦となり、第1シードの山本選手が大麻選手をストレートで下し、優勝しました。しかし、ダブルスのベスト4には大塚・山崎組、木戸内・小石組、大塚・村上組というように園田学園の3ペ
アが勝ち上がり、残るひとつには永井・大麻組(駿台甲英)が入りました。しかし、永井・大麻組は大塚・村上組に敗れ、決勝は大塚・山崎組と大塚・村上組というこれも県総体と同様に園田学園同士の対戦となりました。試合はストレートで大塚・山崎組が勝ちましたが、第1セットが7-5、第2セットがタイブレークというように、とても緊張感のある試合だったように記憶しています。
続いて10月には新人大会団体戦が行われました。この大会は来年3月に開催される全国選抜大会に繋がるものであるため、昨年までは最低4人でも登録が可能でしたが、今年からは「最低7人以上」で登録しなければならなくなりました。この変更に伴い、参加校は、昨年の88校から76校に減少してしまいました。テニスに限らず、さまざまな種目において、少子化や生徒たちの価値観の変化などから競技人口が減少しています。本校も慢性的に部員不足に悩まされていますが、今後は部員の確保ということが重要な課題になってきたな、ということを実感させられました。さて、試合については、園田学園・神戸・夙川学院・加古川南・仁川学院・芦屋大附・雲雀丘・明石城西の8校が予選を勝ち上がり、準々決勝に進出しました。そして、ベスト4に進んだ園田学園・夙川学院・仁川学院・明石城西の4校によるリーグ戦が行われ、1位園田学園(3勝0敗)、2位明石城西(2勝1敗)、3位夙川学院(1勝2敗)、4位仁川学院(0勝3敗)という結果になりました。なお、園田学園と明石城西は11月に行われた全国選抜テニス近畿大会において、全国選抜大
会への出場権を獲得しました。両校は今年も同大会に出場していますが、来年はさらに上位をめざして頑張ってほしいと思います。
以上、私なりに平成20(2008)年を振り返ってみました。これまでは、回顧録を「読む側」だった私が、「書く側」になってみて、改めて書くことの難しさを痛感させられました。ましてや、全国大会や近畿大会などの上位大会は勿論、県大会でさえ十分に観戦していなかったため、たいへん粗末な回顧録になってしまったことをお詫びします。
最後に、今年一年、みなさんは良い年だったでしょうか。私は、それなりに良い年だったように思っています。ただ、現状に満足せず、来年はさらに良く変わっていくことを願って回顧録を終わりたいと思います。
平成19年度女子回顧録 神戸市立神港高等学校 下村勲[回顧録-女子]
2011年06月27日
本年も最後の公式戦・ウィンタージュニアが終わり、「練習納め」を明日に迎える2007年12月27日、その日は真冬とは思えない暖かい気温で、北からの風もなく、まさに小春日和であった。一年を通してもこんな快晴は滅多になく、空は雲一つなく、どこまでも天が続くような透き通るスカイブルーであった。実は前日の練習試合で私はある部員に対して、その不甲斐なさを厳しく叱責し、それが原因で胃痙攣を起こさせてしまっていた。立ち直った彼女はその日の練習にも、朝から頑張って取り組んでいたのであった。その日は二部練で、昼食を挟んで午後からの練習開始時間にコートに現れた私は、彼女を含む我が校の部員全員に
「おい!コートで大の字になって寝るぞ!」と切り出した。
「.....ハイ。」
こんな指示をしたのは初めてなので、部員が戸惑っているのが手にとるようにわかった。
「こんな気持ちのよい天気は滅多にないっ。皆で空を見るぞ。」
「ハイッ!」
オムニコートの温もりを伸ばした背中に感じ、見上げた天空は予想を遙かに超えるスケールの大きさで、我を忘れ、心が洗われた。部員も「気持ちいい」とか「スゴイ」とか思いっきりリラックスしている様子がうかがえた。思わず私は真っ黄色のニューボールを天高くヒットした。「ウワー!最高!!」と聞こえたのも束の間、ボールはある部員を直撃する勢いで急降下!焦った部員は逃げまくった。それを見た他の部員は笑い転げて、その笑い声はスカイブルーに吸収されていった。前日の胃痙攣騒動といい、その日のほのぼのとした練習前の風景といい、これが部活動の醍醐味だと思い、そんな些細な出来事も私の大切な今年の回顧となるのである。しかし今年は高体連の回顧録を書けと言われ、例年同様兵庫県の上位陣の活躍を記すはめとなった。県の上位に我が校が食い込んだわけでもなく、執筆が回ってくるとは予期せず一年間ボーっと大会に臨んできて、なおかつ記憶力に乏しい私には、これまで執筆された先生方のように、手に汗握る大会の詳しい描写はできなかったことを先に一言お詫び申し上げたい。
【総合体育大会】
4月からの県総体・団体の予選を勝ち抜いてきた四校は、戦前の予想通り上位シードの四校であった。園田学園、夙川学院、明石城西そして駿台甲英である。準決勝の一つ目は第1シードの園田がダブルスとシングルス2をそれぞれストレートでとり、第4シード明石城西をくだした。そして二つ目の準決勝は"旋風"を巻き起こした第3シード駿台甲英と第2シード夙川学院の対戦である。この対戦は夙川が健闘を見せたが、最後は駿台が接戦の末2-1で競り勝った。"旋風"というのは、駿台甲英はご存じの通り、ここ数年ジュニアの有望選手が集まり始め、急速に兵庫県テニス界上位に食い込んできた学校である。そして今春、全日本室内選抜ベスト4など数々の実績を残している古賀愛を始め、強豪選手を擁し、団体戦初出場ながらインターハイの切符を獲得しようと、この大会に臨んできたのである。さて、その駿台・古賀に対して夙川シングルス1の林は第二セットをタイブレークに持ち込み、あと一歩ということろまで追い込んだ。しかし惜しくも敗戦、夙川の敗退を決定づけた。こうして決勝は園田学園と、団体戦初出場で初の
決勝に進出した駿台甲英の組み合わせとなった。決勝戦の結果はダブルスとシングルス2を園田がともにストレートでとり、園田の勝利を決定づけたのであるが、途中棄権に終わった園田シングルス1の鍋谷が駿台・古賀に対してタイブレークの末に第一セットをとったことは、さぞかし両隣で進行している園田の選手に大きな勇気と力を与えたことであろう。昨年のウィンタージュニアにおいて二人は決勝戦で対戦しているのであるが、その時鍋谷は古賀にストレートであっさり敗れている。その同じ組み合わせとは思えない鍋谷の"好スタート"であった。暑さ対策、個別対策、技術的精神的成長、執念、意地、いろんな要素が絡んでいたと推測される。こうして今年の兵庫県高校総体は3-0で園田が優勝、全国総体の切符を獲得した。
そして"青春・佐賀総体"における園田学園。まず石川の星陵を2回戦であっさりくだし、3回戦では強豪・神奈川の湘南工大付属に対して接戦の末、競り勝った。準々決勝ではこれまた強豪校・静岡の富士見ヶ丘を相手に接戦をするが、遂に力尽き、惜しくもベスト8に終わった。残念ながら兵庫県代表は昨年の兵庫インターハイに引き続き今年も全国の覇者となることはできなかった。しかし、テニス王国・兵庫の名に恥じない立派な"ベスト8"であったといえよう。
個人戦は県総体シングルスにおいて堂々と優勝した鍋谷(園田)、決勝戦で団体の決着をつけたかったが無念の準優勝に終わった古賀(駿台甲英)、準決勝に進んだ松島(園田)、林(夙川)の4人が全国総体に出場。そして全国総体では古賀がベスト8、鍋谷が16入りの健闘を見せた。ダブルスでは県総体優勝の広瀬・松島組、同準優勝の鍋谷・内仲組(以上園田)、そして同3位の林・井若組(夙川)が出場した。鍋谷・内仲組が全国の舞台でも決勝まで駒を進め、決勝戦では長尾谷の選手に敗れたものの見事インターハイ準優勝に輝いた。大健闘である。
【新人大会】
今年から新人大会の個人戦は昨年までの県民大会の日程・会場で行われることになり、近畿高校テニス大会への選考会も兼ねる高体連主催の大会となった。新人大会においてもまず個人戦で園田学園の活躍が目立ち、シングルスで本戦に出場した選手は最多の21名であり、層の厚さは群を抜いた。因みに本戦出場数が多い学校は、続く城西の8名、夙川の7名、そして仁川学院からの6名であった。駿台甲英は部員全員の5名が本戦に出場しただけでなく、上位に進出し5名全員が近畿大会の出場権を得た。あっぱれ!!優勝は駿台の古賀で、決勝戦では園田の松島をストレートでくだした。またダブルスではベスト4の3組が園田勢で、決勝戦も園田どうしとなった。同校決勝を征したのは広瀬・松島組で、準優勝は良永・大塚組であった。
団体戦については、予選が昨年までの日程と少し変わって10月初旬に行われた。県総体、新人個人戦と大活躍した駿台甲英は全部員が5名で、勝ち上がったとしても近畿選抜、全国選抜の出場権を得られないとして、団体戦にはエントリーしなかった。その結果第1シード園田、第2シード城西、第3に夙川、第4芦大附、第5仁川となった。そして予選を勝ち抜いてベスト8に残ったのは上記の上位シード校に加えて武庫川、雲雀丘、加古川南であり、いずれも8シードまでの学校が順調に勝ち上がったのであった。8校は10月末の総合運動公園に舞台を移す。総合運動公園における準々決勝は各試合とも第1~第3までの上位シード校が圧倒的な強さで征し準決勝に駒を進めたが、第4シードの
芦大附属と第5シードの仁川学院の対戦だけは例外であった。両校2ポイントを獲得し、迎えたシングルス3の勝負が大接戦となる。最後は仁川の上久保が8-6で芦大・藤猪をくだし初のベスト4に進んだ。ベスト4進出校による決勝リーグは園田が危なげなく3勝で貫禄優勝。そして2勝1敗の城西が準優勝に輝いたが、2位争いとなった夙川戦は大変見応えのある展開となった。スコアは3-2で城西の勝利であったが、山場では城西のエース堺が夙川・岡屋を破り勝負を決めた。1位、2位校は近畿選抜に出場し、近畿選抜では園田が3位、城西が7位の成績を残し春の全国選抜への切符を手にした。今から二校の活躍が非常に楽しみである。
最後に昨年はインターハイと国体が兵庫県で開催され、出場した選手だけでなく大会を運営する上で多くの高校生、多くの先生方が参加しました。苦い思いや不安もあり何とか乗り切った部分もいくつかありましたが、感動も多々ありで非常に充実した年でした。そして今年。前年の経験から生徒も先生も何となく余裕と自信を持って臨んでいるシーンが見られたように思います。先輩の姿を追ってそれを越えようとする高校生、それに応えて熱い思いで指導する顧問の先生方、何かしら一回り大きくなった兵庫県!そんな気がします。私は生徒に試合の結果の重みの話もしますが、テニスが強くなること以上に大切なことはテニス部活動を通じて多くのことを体験し、感じ、そして人間として成長することである、ということをよく話します。でも実は我々教師も生徒とともに成長していってるんでしょうね。知らないうちに....。これからもお互い頑張ってまいりましょう!スカイブルーにいつまでも、いつまでも感動したいですね。